歯科矯正
最終更新日:2025年6月24日
舌を噛む6つの原因│放置するリスクや治し方も紹介

食事中や会話中、ふとした拍子に舌を噛んでしまうことはありませんか?
寝ている間に無意識で噛んでしまい、朝起きたらヒリヒリしている…そんな声もよく聞かれます。
「癖かも?」と見過ごしがちですが、実は噛み合わせの乱れや筋力の低下、ストレスなどが関係していることも。
中には、病気が隠れているケースもあるため注意が必要です。
この記事では、舌を噛む主な原因6つと、考えられる病気・放置リスク、対処法や予防策まで詳しく解説します。

目次
- なぜ舌を噛んでしまうの?|よくある原因6つ
- ①噛み合わせや歯並びの乱れ
- ②歯ぎしり・食いしばりの癖
- ③舌や口周りの筋力低下・舌の位置異常
- ④ストレスや疲労の蓄積
- ⑤肥満による口腔内の圧迫
- ⑥歯科治療や被せ物の影響
- 放置するとどうなる?|舌を噛むことによる3つのリスク
- 噛み合わせや発音に悪影響が出る
- 出血・口内炎などのトラブルが慢性化する
- ストレスや睡眠の質がさらに低下する
- 舌を噛んでしまったときの対処法3つ
- まずは止血と清潔な処置
- 市販薬やうがい薬も有効
- 傷が深い・治らないときは受診を検討
- 舌を繰り返し噛まないための予防法5選
- ①口周りのトレーニングを行う
- ②マウスピースで歯ぎしり対策
- ③ストレスをためない生活を意識
- ④詰め物・被せ物の違和感は歯科で調整
- ⑤矯正治療も視野に入れて検討
- 舌を噛むことでよくある疑問(FAQ)
- Q1. 食事中に舌を噛むのはなぜ?
- Q2. 寝てるときに舌を噛むのは病気ですか?
- Q3. 同じ場所ばかり噛むのはなぜ?
- Q4. 舌をわざと噛む癖があります。大丈夫?
- 舌を噛む原因を知るために口の中の状態を診てもらおう
なぜ舌を噛んでしまうの?|よくある原因6つ

舌を噛んでしまうのは、単なる不注意や癖だけではありません。実は、口の中や身体の状態、生活習慣の乱れなどが関係していることも。
ここでは、舌を噛む主な原因を6つに分けて解説します。
①噛み合わせや歯並びの乱れ
あごのズレや噛み合わせが不安定な状態では、舌の動きが制限され、噛んでしまいやすくなります。
たとえば、顎関節症などであごがうまく動かないと、会話や食事のときに舌や頬を巻き込みやすくなることも。
また、歯並びがガタガタしていると、舌の収まりが悪くなったり、偏った噛み癖が習慣化して筋肉のバランスが崩れる原因になります。
その結果、口をスムーズに動かせず、舌を噛むリスクが高まるのです。
歯科矯正や噛み合わせの調整で、改善が見込めるケースも少なくありません。
②歯ぎしり・食いしばりの癖
起きたときにあごがだるい、寝ている間に舌を噛んで目が覚める…そんな症状がある場合は、歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。
これらは無意識に行われるため自覚がなく、気づかないうちに舌や頬を傷つけてしまうこともあります。
また、強い力で歯をこすり合わせることで歯がすり減ったり、あごにズレが生じて噛み合わせが乱れることも。
その結果、舌が収まりにくくなり、さらに噛みやすくなるという悪循環につながります。
③舌や口周りの筋力低下・舌の位置異常
加齢や日常生活で噛む回数が少ない人は、口周りや舌の筋力が低下しやすくなります。
筋力が弱くなると舌が正しい位置に収まりにくくなり、「低位舌」と呼ばれる状態になることも。
これは、舌が本来あるべき位置よりも低く垂れ下がってしまう状態で、食事や会話の際に舌を噛みやすくなる原因のひとつです。
また、頬の筋力が衰えると皮膚がたるみ、頬の内側を噛みやすくなることもあります。
④ストレスや疲労の蓄積
ストレスや疲労がたまっていると、舌や頬を噛みやすくなることがあります。
本来、あごの動きは脳がコントロールしてバランスを保っていますが、身体が疲れていると、その調整機能がうまく働きません。
その結果、無意識に舌の位置がズレたり、タイミングがずれて噛んでしまうことも。
また、ストレスからくる癖として、緊張時に無意識で舌を噛んでしまう人も少なくありません。
気づかないうちに続いている場合は、生活習慣や心身のリズムを見直しましょう。
⑤肥満による口腔内の圧迫
急激な体重増加は、舌や頬を噛みやすくなる一因になります。
体重が増えると、あごや頬まわりに脂肪がつき、口の内側に圧迫が生じるため、食事や会話の際に頬を巻き込んで噛みやすくなるのです。
とくに口の中が狭くなっていると、舌の位置も不安定になりやすく、噛むリスクがさらに高まります。
最近体重が増えたと感じている方は、こうした身体の変化が関係している可能性もあります。
⑥歯科治療や被せ物の影響
詰め物や被せ物、入れ歯、インプラントなどの治療によって、噛み合わせが変化すると、舌や頬を噛みやすくなることがあります。
特に新しく入れ歯を作った直後は、プラスチックの床が歯ぐきに当たる違和感や、噛んだときの感覚の変化で、舌を巻き込んでしまうケースが多く見られます。
ただし、多くの場合は1〜2週間ほどで慣れてくるため、噛む頻度は徐々に減っていきます。
歯科治療を受けたあとに舌を噛むことが増えたと感じたら、慣れが必要だと覚えておきましょう。
放置するとどうなる?|舌を噛むことによる3つのリスク

舌を噛むのは一時的なものと思われがちですが、何度も繰り返す場合は注意が必要です。
そのまま放置していると、舌や口の中を傷つけてしまうだけでなく、噛み合わせの悪化や生活への支障につながる可能性も。
ここでは、舌を噛み続けることで起こり得るリスクを3つ紹介します。
噛み合わせや発音に悪影響が出る
舌を繰り返し噛んでいると、無意識のうちに舌の位置が乱れ、噛み方や発音にクセがついてしまうことがあります。
特に舌が前方に押し出されるクセがあると、歯列に力がかかり、「出っ歯」や「開咬(前歯が噛み合わない状態)」を引き起こす原因にもなります。
こうした状態が続くと、食事や会話のしづらさに加えて、見た目の印象にも影響するため注意が必要です。
予防には、舌先を上あごの正しい位置(スポット)に置く習慣をつけることが大切です。
舌のクセのほかにも、歯並びが悪くなる習慣があります。詳しくは下記の記事も参考にしてください。
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歯並びが悪い原因は?│リスク・治療法を解説
出血・口内炎などのトラブルが慢性化する
舌を何度も噛んでしまうと、傷口ができやすくなり、出血や口内炎を繰り返す原因になります。
一度できた傷にさらに刺激が加わることで、治りにくくなり、慢性的な痛みや腫れにつながることもあります。
また、傷ついた粘膜から細菌が入り込むと、感染症や炎症を引き起こすリスクもあるため注意が必要です。
「ちょっと噛んだだけ」と放置せず、違和感が続くときは早めのケアや受診を心がけましょう。
ストレスや睡眠の質がさらに低下する
舌を噛むことがクセになると、口の中の違和感や痛みによって、集中力の低下やイライラを感じやすくなることがあります。
さらに、寝ている間に舌を噛んで目が覚めるようになると、睡眠の質まで下がり、日中の疲れやすさやストレスの悪化につながる可能性も。
身体も心もリラックスできない状態が続けば、噛む癖そのものが悪化する悪循環に陥ることもあります。
このように、舌を噛む癖は放っておくと、歯並び・発音・睡眠・メンタルにまで影響が広がることも。
少しでも「気になる」「当てはまるかも」と感じたら、まずは自分の噛み合わせや舌の位置をチェックしてみることが大切です。
歯並びや噛み合わせに不安がある方は、無料で相談してみませんか?
舌を噛んでしまったときの対処法3つ

舌を噛んでしまったら、出血している場合はまず止血しましょう。それから受診すべきかどうかは、傷口のなおり具合によって判断します。
まずは止血と清潔な処置
舌を噛んで出血した場合は、まず口をゆすぐ前に止血を優先しましょう。
手を清潔にしたうえで、ガーゼやティッシュを使って出血している部分をやさしく押さえます。
出血が落ち着いたのを確認してから、軽く口をゆすぐ程度にとどめましょう。
多くの場合はこれで自然に止まりますが、「傷が深くて血が止まらない」「2〜3日たっても痛みがひかない」といった場合は、細菌感染のリスクがあるため早めの受診をおすすめします。
また、内出血がある場合は無理に触らず、そのままにしておくことが大切。
時間はかかりますが、1週間ほどで自然に治癒するケースがほとんどです。
市販薬やうがい薬も有効
軽い傷で出血が止まったあとは、市販の口内炎用塗り薬や殺菌効果のあるうがい薬を使うと、治りが早くなることがあります。
薬を使う際は、出血がしっかり止まった後に使用するのがポイント。
また、スプレータイプの口内炎薬や、患部に貼るパッチタイプの保護剤も、痛みの軽減に役立ちます。
ただし、痛みが強い・腫れが広がってきた・膿が出るといった症状がある場合は、自己判断せず、早めに歯科や口腔外科を受診することが大切です。
傷が深い・治らないときは受診を検討
舌を噛んだ後、市販薬やうがい薬を使ってもなかなか治らない場合は、歯科などの医療機関で適切な処置を受けましょう。
特に、何度も同じ場所を噛んでしまう場合は、噛み合わせや歯並びに問題がある可能性も。
「そのうち治るだろう」と放置せず、一度専門家に診てもらうことで、根本的な原因の特定や再発防止につながります。
舌を繰り返し噛まないための予防法5選

舌を噛むクセをなくすには、痛みが出てから対処するだけでなく、原因別に対処することが大切です。
噛み合わせや舌の位置、生活習慣の乱れなど、少しずつ見直すことで再発の予防につながります。
ここでは、今日からできる5つの予防法をご紹介。
「また噛んでしまった…」を繰り返さないために、できることから始めてみましょう。
①口周りのトレーニングを行う
口周りの筋力の低下から舌や頬を噛んでいるケースでは、口周りの筋肉をつけるトレーニングで改善が期待できます。
舌のトレーニングでおすすめの方法が「あいうべ体操」です。
口を大きく開けることを意識して、口を縦に「あ」・口を横に「い」・口を尖らせて「う」と口を動かします。最後の「べ」で舌を出せるところまで下に伸ばします。
このトレーニングを1セットとし、食後10セットを目安に1日30セットおこなってみましょう。
毎日おこなうことで、舌に筋力が付くので舌の位置が持ち上がり、正常な位置に戻ることが期待できます。
舌が正常な位置に戻れば、舌や頬を噛む頻度も減るでしょう。
▼「あいうべ体操」を考案した今井一彰医師による解説
②マウスピースで歯ぎしり対策
寝ている間に舌を噛んでしまう方は、無意識の歯ぎしりや食いしばりが原因となっている可能性があります。
その対策としておすすめなのが、就寝時に装着する「ナイトガード(マウスピース)」の使用です。
マウスピースは、歯と歯が直接ぶつかるのを防ぎ、あごへの負担を軽減しながら舌や頬を保護する効果があります。
市販のものもありますが、自分の口に合ったものを作ってもらうには、歯科での相談が安心です。
③ストレスをためない生活を意識
ストレスや疲労、睡眠不足が続いていると、無意識に舌を噛んでしまうリスクが高まります。
そんなときは、まず生活習慣を見直すことが大切です。
たとえば、睡眠時間をしっかり確保する、軽い運動を取り入れる、湯船にゆっくり浸かるなど、小さな習慣でもストレスや疲れの軽減につながります。
舌を噛む原因がメンタルや体調にある場合は、できることから少しずつ整えていくことが予防の第一歩です。
④詰め物・被せ物の違和感は歯科で調整
新しく詰め物や被せ物、入れ歯などの治療を受けたあとから舌を噛むことが増えた場合は、噛み合わせの変化が原因かもしれません。
特に、何度も同じ場所を噛んでしまう・噛むたびに違和感があるという場合は、治療を受けた歯科で相談してみましょう。
多くのケースでは、噛み合わせや装着物のわずかな調整で症状が改善します。
「このまま慣れるしかない」と我慢せず、早めに確認してもらうのがおすすめです。
⑤矯正治療も視野に入れて検討
舌を噛む原因が歯並びや噛み合わせの乱れにある場合は、矯正治療を検討してみるのもひとつの方法です。
たとえば歯並びがガタガタしていると、舌の動くスペースが狭くなり、無意識に噛んでしまいやすくなります。
矯正によって歯並びが整うことで、舌を噛みにくくなるだけでなく、噛み合わせも改善されるというメリットも。
とはいえ、原因が本当に歯並びなのかを見極めるには、歯科での診断が必要です。
多くのクリニックでは初診料や検査料がかかりますが、 Oh my teeth導入クリニック では、歯並びチェックや診断を無料で受けられます。
舌を噛むことでよくある疑問(FAQ)
舌を噛む原因や対処法について調べる中で「これって大丈夫なの?」「病院に行くべき?」といった疑問を感じた方も多いのではないでしょうか。
ここでは、舌を噛むことに関してよくある質問をQ&A形式でまとめました。
気になっていたことがある方は、ぜひ参考にしてみてください。
Q1. 食事中に舌を噛むのはなぜ?
咀嚼中に舌が歯の間に入り込みやすくなっていることが主な原因です。
噛み合わせや歯並びの乱れ、舌の位置が安定していない状態だと、食べ物と一緒に舌を噛みやすくなります。
また、「急いで食べる」「姿勢が悪い」など、食事中の習慣も影響するため注意が必要です。
Q2. 寝てるときに舌を噛むのは病気ですか?
必ずしも病気とは限りませんが、歯ぎしり・食いしばり・睡眠時無呼吸症候群などが関係している場合があります。
寝ている間に無意識で強くかんでしまい、舌や頬を巻き込んでしまうことが原因です。
朝起きたときに痛みがある、頻繁に起こるという方は、一度歯科や医療機関に相談してみましょう。
Q3. 同じ場所ばかり噛むのはなぜ?
噛み合わせにわずかなズレがある場合、特定の位置に舌や頬が当たりやすくなることがあります。
また、「癖になっている」「舌の位置が定まっていない」など、筋肉や習慣が関係しているケースも。
何度も同じ場所を噛んでしまうと傷が治りにくくなるため、早めの対処や歯科での確認が大切です。
Q4. 舌をわざと噛む癖があります。大丈夫?
無意識に舌を噛んでしまう人の中には、ストレスや不安などの心理的な要因が関係していることもあります。
「気づいたら噛んでいる」「わざと噛んで落ち着く」といった場合、心のSOSサインのひとつかもしれません。
強く噛んで傷になっている場合は医療機関へ、気持ちの面がつらいと感じる場合は、専門機関への相談も検討してみましょう。
舌を噛む原因を知るために口の中の状態を診てもらおう
同じ場所を何度も舌で噛んでしまう場合、歯並びや噛み合わせに原因があるケースが多いです。
口の中は自分では見えにくいため、一度クリニックでチェックしてもらうことをおすすめします。
歯並びや噛み合わせの乱れが原因であれば、矯正治療で改善が見込める場合も。
たとえば 「Oh my teeth」の無料歯型スキャンなら、所要時間30分で噛み合わせや歯並びの状態を確認できます。
月々3,500円からはじめられるプランもあり、無理な勧誘はありません。
「このままで大丈夫かな?」と感じたら、まずはお気軽に導入クリニックへ相談してみてくださいね。
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