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歯科矯正
最終更新日:2025年6月9日

歯の矯正方法はどんな種類がある?大人と子供の矯正の違いも解説

矯正種類タイトル
「歯の矯正ってどんな種類があるの?」と疑問を抱いている方へ。歯科矯正には大きく4つの種類があり、かかる費用や期間の目安が異なります。
また、大人と子供でもできる矯正方法は異なります。成人矯正には表側矯正、裏側矯正、ハーフリンガル矯正、マウスピース矯正があり、小児矯正ではあごの成長を利用する方法があります。
本記事では、矯正の種類を選ぶ際の比較ポイントをまとめました。満足のいく矯正歯科医院選びや、矯正治療につなげましょう。
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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。
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歯科矯正とは|歯並びの種類

歯科矯正とは歯並びや噛み合わせの乱れを整える歯科治療。歯並びや噛み合わせが乱れている場合(不正咬合と診断された場合)に、矯正装置を用いて少しずつ歯を動かしていく治療法です。
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歯科矯正が必要かどうかをチェックするポイント4選

歯科矯正が必要かどうか正確に知るには、ドクターによる診断が必要です。
ただ、クリニックに相談に行くべきかどうか、判断できないこともあるでしょう。その場合、以下の4つのポイントで簡易チェックをしてみてください。
  • 虫歯や歯周病になりやすいか
  • 噛み合わせに影響があるか
  • 生活に支障があるか
  • コンプレックスになっているか

歯科矯正の費用や期間はどう決まる?

歯科矯正治療にかかる費用や期間は、歯並びの状態によって異なります。例えば歯並びのガタつきが大きく、抜歯をしないと歯がきれいに並び切らない場合、その分抜歯費用がかかったり、歯の移動距離も大きくなるため期間も長くかかったりします。
また歯の動き具合にも個人差があります。最初に提示された治療期間の目安よりも延びることは珍しくありません。
矯正費用に関しては、基本的に自由診療なのでクリニックによって料金は異なります。ただし矯正の種類によっておおよその相場はあります。詳しくは「大人の歯科矯正の種類を比較するポイント〜④費用相場(目安)〜」で紹介していきます。

歯を矯正する流れ

矯正治療の流れは、一般的に上記の通りです。
まずは初診で現在の歯並びの悩みを歯科医師がヒアリングします。その後精密検査で矯正が可能かどうかや、どの治療方法が適切かを診断します。

自分に合った種類の選び方は?

大人の矯正の種類には大きく4種類あり、その中から自分に合ったものを選ぶにはそれぞれの特徴を理解しなければなりません。
詳しくは「大人の歯科矯正の種類」で解説しますが、以下に簡単にまとめた表を紹介します。
このように矯正の種類にはそれぞれ得意な歯並びがあったり、見た目に違いがあったりします。
またあなたに合った矯正の種類は各種検査や歯科医師の診断がないとわかりません。
「目立たないマウスピース矯正がしたい」と希望しても、検査した結果マウスピース矯正不適合になることも珍しくありません。
Oh my teethのマウスピース矯正は検査・診断が無料なので、「まずは私の歯並びに合った種類の矯正方法を知りたい」という方は相談してみてくださいね。

大人の歯科矯正の種類を比較!

大人が歯科矯正が必要と診断された場合、大きく以下の4つの選択肢があります。
  • 表側矯正(ワイヤー矯正)
  • 裏側(舌側)矯正(ワイヤー矯正)
  • ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)
  • マウスピース矯正
ここから4つの歯科矯正方法の特徴とメリット・デメリットを紹介していきます。

表側矯正(ワイヤー矯正)

表側矯正とは、ブラケットとワイヤーを歯の表側に装着する矯正方法です。歯の表面にブラケットを接着し、ブラケットにワイヤーをつけて歯を動かします。
歯の表面に矯正装置を接着して固定するため歯を動かす力が強く、幅広い症例に対応できます。
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表側矯正のメリットtoggle-arrow
  • 重度の歯並びの乱れにも対応できる
  • 歯科矯正の方法の中でもっとも歴史が長く実績がある
  • 自己管理が不要
表側矯正は歯科矯正の中でも歴史が長く実績のある方法です。抜歯が必要なほど重度の歯並びの乱れにも対応できるほか、装置を自分で取り外せないため自己管理が不要なメリットがあります。
表側矯正のデメリットtoggle-arrow
  • 矯正装置が目立つ
  • ワイヤー調整時などに歯に痛みを感じやすい
  • 矯正装置が口腔内を傷つけやすい
  • 硬い食べ物・粘り気のある食べ物が制限される
  • ブラッシングがしにくく虫歯や歯周病リスクが高まる
  • 金属アレルギーのリスクがある
表側矯正の代表的なメリットはやはり目立つ点です。特に金属製のメタルブラケットとワイヤーは目立つため、それを理由に矯正をためらう方も。また金属製の装置は口腔内を傷つけやすく、金属アレルギーを発症するリスクもあります。
矯正装置がつけっぱなしな点は自己管理が不要なメリットがある一方で、ブラッシングがしにくいデメリットも。オーラルケアに工夫が必要です。

裏側矯正(ワイヤー矯正)

裏側矯正とは、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着する矯正方法です。歯の裏側にブラケットを接着し、それぞれのブラケットをワイヤーで固定して歯を動かします。
矯正装置を舌のある歯の裏側に取り付けることから舌側矯正・リンガル矯正(lingual=「舌の」という意味)とも呼ばれています。
裏側矯正のメリットtoggle-arrow
  • 表側矯正と比べて目立ちにくい
  • 自己管理が不要
裏側矯正は歯の裏側に装置を装着するため、目立ちにくいのがメリットです。また表側矯正同様、自分で取り外せないため自己管理は不要です。
裏側矯正のデメリットtoggle-arrow
  • 対応しているクリニックが表側矯正と比較すると少ない
  • 表側矯正と比較して期間が長くなりやすい
  • 発音に影響が出やすい
  • ブラッシングしにくい
裏側矯正は装置が金属製の場合、表側矯正同様金属アレルギーや口腔内を傷つけるリスクがあります。それに加え、一定の技術力が必要なため表側矯正と比較して対応しているクリニックが少ない傾向があります。
また矯正期間が長くなる傾向があったり、裏側に装置がつくため舌に当たりやすい・装置を目視してブラッシングしにくいといったデメリットも。
裏側矯正について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
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ハーフリンガル矯正(ワイヤー矯正)

ハーフリンガル矯正とはワイヤー矯正の一種。目立ちやすい上あごの歯は裏側(舌側)矯正、唇で隠れて比較的目立ちにくい下あごの歯には表側矯正を行います。
上あごの歯だけ裏側矯正(リンガル矯正)にすることから「ハーフリンガル矯正」と呼ばれます。
ハーフリンガル矯正のメリットtoggle-arrow
  • 表側矯正と比べて目立ちにくい
  • 裏側矯正と比べて舌を動かしやすく発音への影響が少ない
  • 自己管理が不要
  • 上下の歯を裏側矯正にするよりも費用を抑えられる
ハーフリンガル矯正は表側矯正・裏側矯正のデメリットを抑え、それぞれのメリットを享受できる方法と言えるでしょう。
ハーフリンガル矯正のデメリットtoggle-arrow
  • 上下の歯を表側矯正にするより費用が高くなる
  • オーラルケアに工夫が必要
ハーフリンガル矯正は裏側矯正同様、表側矯正と比較すると対応しているクリニックが表側矯正と比較すると少ない・矯正期間が長引く・硬い食べ物や粘り気のある食べ物が制限されるといったデメリットがあります。
さらにハーフリンガル矯正ならではのデメリットとしては、上下の歯を表側矯正にするよりも費用がかかったり、上あごの歯は裏側に装置がつくためブラッシングに工夫が必要だったりします。
ハーフリンガル矯正の詳しい解説は以下をご覧ください。
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マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、透明で目立ちにくいマウスピース型の矯正装置を使って歯並びを整える方法です。シリコンや3Dスキャナーで歯型を採取し、専用のマウスピースを作製します。
マウスピース矯正では治療段階に合わせて形の異なったマウスピースを装着していき、少しずつ理想の歯並びに向けて歯を動かしていきます。
マウスピース矯正ブランドとしては、アメリカ製の「インビザライン」や日本製の「アソアライナー」が有名です。
マウスピース矯正のメリットtoggle-arrow
  • 透明なマウスピースなので目立たない
  • ワイヤー矯正と比較すると痛みを感じにくい
  • 口腔内の怪我が起きにくい
  • 取り外して食事やブラッシングできる
  • 金属アレルギーを起こす心配がない
  • 通院頻度を抑えられる
マウスピース矯正はワイヤー矯正と比較すると段階的に歯を動かせるため、歯が動く際に発生する痛みを抑えられます。また金属製の装置ではないため口腔内を傷つけるリスクを抑えられ、金属アレルギーの心配がありません。
さらに食事やブラッシング時は取り外せるため、食事制限はほぼなく、虫歯や歯周病リスクを抑えられるでしょう。クリニックでワイヤー調整が必要なワイヤー矯正と比較すると、自分で新しいマウスピースに交換して矯正を進められるため、通院頻度を下げられるメリットもあります。
マウスピース矯正のデメリットtoggle-arrow
  • 自己管理が必要
  • 適応症例が限られる
  • 装着中は水・炭酸水以外は口にできない
マウスピース矯正は自分で取り外せる分、自己管理が必要な矯正方法です。1日20時間以上の装着管理や、外したマウスピースのお手入れ、紛失・破損リスクがあるなど、ワイヤー矯正と比較すると面倒に感じる部分もあるかもしれません。
またマウスピースの装着中は水・炭酸水以外は口にできません。中には気軽な飲食ができなくなったことにストレスを感じる方もいらっしゃるでしょう。
ワイヤー矯正と比較すると、適応症例が限られる部分も注意点です。マウスピース矯正を希望していても、歯並びの状態によってはワイヤー矯正でしか対応できないケースもあります。
マウスピース矯正について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

大人の歯科矯正の種類を比較するポイント

さまざまな矯正装置をご紹介してきましたが、種類によって特徴やメリットデメリットがあります。
「何を重視するか」も歯科矯正を選択するうえでのポイントになりますので、5つの項目に分けて比較してみましょう。
表側矯正
裏側矯正
ハーフリンガル矯正
マウスピース矯正
見た目
目立つ
正面からは見えないが角度によっては見える
角度によっては装置が見える
目立ちにくい
固定式or着脱式
固定式
固定式
固定式
着脱式
対応できる歯並び
〜重度
〜重度
〜重度
軽度〜中度
費用目安
全体:60万〜130万円
部分:30万〜60万円
全体:100万〜170万円
部分:40万〜70万円
全体:80万〜150万円
部分:35万〜65万円
全体:60万〜100万円
部分:10万〜40万円
期間目安
全体:1〜3年程度
部分:2ヶ月〜1年程度
全体:2〜3年程度
部分:5ヶ月〜1年程度
全体:2〜3年程度
部分:5ヶ月〜1年程度
全体:1〜3年程度
部分:2ヶ月〜1年程度

①見た目

歯の表側に装置を装着する表側矯正は目立ちやすく、透明なマウスピース矯正や歯の裏側に装置を装着する裏側矯正は目立ちにくいです。
ただし表側矯正でも、装置の素材によっては目立ちにくいものも。たとえばセラミックブラケットやホワイトワイヤーを用いた表側矯正です。

②固定式か着脱式か

  • 固定式:表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正
  • 着脱式:マウスピース矯正
固定式の場合、自己管理が不要であるメリットがある一方、食事やブラッシングがしづらく虫歯や歯周病のリスクが高くなるデメリットがあります。
着脱式の場合、食事やブラッシングはしやすいですが、自己管理が必要で、装着時間が不足していると計画通りに歯が動かないリスクがあります。

③どの程度の歯並びに対応できるか

最も適応範囲が広い矯正は表側矯正です。抜歯が必要になるほど重度の歯並びの乱れにも対応できます。
裏側矯正・ハーフリンガル矯正は表側矯正と比較すると適応範囲は狭まります。マウスピース矯正は軽度〜中度の歯並びの乱れに対応できますが、インビザラインやクリアコレクトなど一部のブランドは重度の歯並びの乱れに対応できるプランがあります。

④費用相場(目安)

ここまで紹介した矯正方法の費用相場は以下の通りです。
全体矯正
部分矯正
表側矯正
60万〜130万円
30万〜60万円
裏側矯正
100万〜170万円
40万〜70万円
ハーフリンガル矯正
80万〜150万円
35万〜65万円
マウスピース矯正
60万〜100万円
10万〜40万円
このように、歯科矯正にかかる費用は矯正方法だけでなく、矯正範囲(全体・部分)によっても異なります。
詳しくは以下の記事もあわせて参考にしてください。
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⑤矯正期間(目安)

ここまで紹介した矯正方法にかかる期間は以下の通りです。
全体矯正
部分矯正
通院頻度
表側矯正
1〜3年程度
2ヶ月〜1年程度
1ヶ月に1回
裏側矯正
2〜3年程度
5ヶ月〜1年程度
1ヶ月に1回
ハーフリンガル矯正
2〜3年程度
5ヶ月〜1年程度
1ヶ月に1回
マウスピース矯正
1〜3年程度
2ヶ月〜1年程度
1〜3ヶ月に1回
このように、歯科矯正は矯正範囲によってかかる期間が異なります。歯を動かす範囲が限定的な部分矯正は、矯正にかかる期間も短いです。

保定期間のことも忘れずに

歯科矯正には保定期間も必要です。保定期間とは、動かした歯をその場で固定して後戻りを防ぐための期間。
少なくとも矯正期間と同じくらいの期間は保定にあてなければなりません。
歯科矯正にかかる期間について詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
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子供の歯科矯正(小児矯正)は時期によって異なる!

子供の歯科矯正も大人と同様にワイヤー矯正やマウスピース矯正を行います。ただし、子供のときに行う小児矯正では、大人の歯科矯正とは異なる矯正装置を使う場合があります。
その理由は子供はあごの骨が成長過程にあるためです。矯正を開始する時期にもよりますが、小児矯正では顎の骨の成長を正しい方向に導く矯正方法が用いられることがあります。
子供の矯正(小児矯正)は、治療時期によって0期・1期・2期に分かれます。

0期治療

0期治療は3歳〜5歳ごろに行います。乳歯の時期に行う治療で、歯並びに悪影響を及ぼす悪習慣を早めになおしたり、噛み合わせによるあごのズレを改善したりします。
用いられる装置にはムーシールドやプレオルソなどがあります。
0期治療と1期治療では、成長過程にある子供のあごの骨が正しく成長するように導きます。
骨格が未成熟でやわらかい子供のうちにあごの骨の成長を促せると、歯が正しく並ぶスペースを確保できます。2期治療は大人と同様、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で歯並びを整えます。
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1期治療

1期治療は6歳〜12歳ごろに行います。乳歯と永久歯が混在する時期に行う治療で、受け口や出っ歯の矯正治療はこのタイミングで行うことが多いです。
あごが小さすぎて歯が並び切らない場合は、あごの発育を促す装置を用います。
1期治療で用いられる装置には、リンガルアーチやヘッドギア、拡大床などがあります。

2期治療

2期治療は13歳以降基本的に大人の矯正治療と同じ内容です。
用いられる装置にはマルチブラケット装置、マウスピース型矯正装置、歯科矯正用アンカースクリューなどがあります。

子供の歯科矯正(小児矯正)で用いられる装置の種類

小児矯正では子供のあごの骨が成長過程にあることを生かし、以下の矯正装置を用いてあごの骨の正しい成長を促します。

拡大床(かくだいしょう)

  • 適用時期:1期治療(6歳~12歳ごろ)
  • 主な適応症例:デコボコ歯(叢生:そうせい)
拡大床とは、取り外し可能なプレート状の矯正装置。あごが小さく歯が並ぶスペースがない場合に用いられます。
真ん中にあるネジを回して少しずつプレートを拡大し、あごの骨および歯列を外側に広げて歯が並ぶスペースを作ります。
食事中やブラッシング時には取り外せるメリットがある一方で、着脱可能なので子供の場合は装着管理が難しいデメリットがあるでしょう。
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急速拡大装置

  • 適用時期:1期治療(6歳~12歳ごろ)
  • 主な適応症例:デコボコ歯(叢生)
上の歯の小臼歯と大臼歯にバンドと呼ばれる輪っかをつけ、上あごに装着する矯正装置です。拡大床と同様、あごの骨が小さく歯が並ぶスペースがない場合に用いられます。
拡大床は取り外し可能ですが、急速拡大装置は固定式です。食事やブラッシング時に取り外せないのはデメリットと言えますが、装着管理が不要である点はメリットとも言えるでしょう。

ムーシールド

  • 適用時期:0期治療(3歳~5歳ごろ)
  • 主な適応症例:受け口(反対咬合)
取り外しできるマウスピース型の矯正装置です。主に受け口の場合に用いられ、舌や口周りの筋肉を鍛え、舌を正しい位置に保つことで歯列改善を促します。
就寝時にムーシールドを上の歯に装着すると、舌が下の前歯を押すのを防ぐ効果があります。同様の装置に「T4K」や「プレオルソ」などがあります。

ヘッドギア

  • 適用時期:1期治療(6歳~12歳ごろ)
  • 主な適応症例:出っ歯(上顎前突)
ヘッドギアとは、歯につけるフェイスボウと頭につけるヘッドキャップまたは首につけるネックストラップで構成される取り外し式の矯正装置です。主に出っ歯の改善で用いられます。
就寝時、出っ歯っている歯にフェイスボウを取り付けてヘッドキャップまたはネックストラップで斜め上や後ろに引っ張る形で使用します。

リンガルアーチ

  • 適用時期:1期治療(6歳~12歳ごろ)
  • 主な適応症例:乳歯列期の前歯部反対咬合・デコボコ歯(叢生)
リンガルアーチとは、左右の奥歯に取り付けた輪っか状のバンドにアーチを接続して使用する固定式の矯正装置。主に乳歯列期の前歯部反対咬合・デコボコ歯(叢生)の治療に用いられ、ワイヤーが前歯を押すことで正しい位置に移動させます。
固定式で自己管理が不要、歯の裏側に装着するので目立ちにくいメリットがある一方、ブラッシングがしづらいデメリットも。子供の場合、丁寧な仕上げ磨きが必要でしょう。

リップバンパー

  • 適用時期:1期治療(6歳~12歳ごろ)
  • 主な適応症例:下あごの小児矯正(下の前歯の後方への傾きを防ぐ・奥歯の移動を防ぐ・永久歯が生えてくるスペースを確保する など)
リップバンパーは、左右の奥歯に取り付けた輪っか状のバンドにバンパーを接続して使用する、取り外し式の矯正装置です。主に子供の下の歯の矯正に用いられます。
唇の力が強く、前歯が内側に傾斜してしまっている症例に用いられます。歯の前面に装着することで下唇に不必要な力が加わりにくくなります。

バイオネーター

  • 適用時期:1期治療(6歳~12歳ごろ)
  • 主な適応症例:出っ歯(上顎前突)・受け口(反対咬合)・深い噛み合わせ(過蓋咬合:かがいこうごう・ディープバイト)
バイオネーターとは、ワイヤーとプラスチック床(しょう)でできている取り外し式の矯正装置です。噛む際の筋肉の動きを利用して下あごの成長を促します。
出っ歯や受け口、深い噛み合わせの改善に用いられますが、12歳くらいまでの成長期の子供にしか使用されません。
このように、小児矯正では主に「あごの骨の正しい成長を導く」治療を行います。これらの治療法は歯並びが未成熟であごの骨がやわらかい子供の時期ならではの矯正方法です。
一方、大人は歯並びやあごの骨が成熟しているため、あごの骨格を矯正するには骨切りなどの外科的な手術が必要になります。

自分に合った種類の矯正を選ぶ7つのポイント

ここまで歯科矯正の概要や大人と子供の矯正治療の種類、費用・期間の目安を解説してきました。
ただ、自分の歯並びに合った矯正方法を知るには、実際に歯科医院に相談し、精密な検査を受けたのち歯科医師の診断を受けなければなりません。
では、矯正相談はどんな歯科医院に行くのがいいのでしょうか。ここでは7つのポイントで紹介します。
  • コミュニケーションが取りやすい
  • メリット・デメリット双方を提示してくれる
  • 複数の治療選択肢を提示してくれる
  • 継続的に通いやすい
  • トラブル時に対応してもらいやすい
  • 料金体系が明瞭
  • 大人・子供関係なく親切
上記のポイントを押さえて選べば、納得して矯正治療をはじめやすいほか、矯正中の不安も解消しやすいでしょう。
さらに、上記のポイントを踏まえて、複数の矯正歯科医院に相談に行ってみて、比較検討することも大切です。
矯正歯科医院の選び方についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
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あなたにぴったりな種類の矯正を知るには、実際に矯正相談に行き、検査・診断を受けなければなりません。
マウスピース矯正Oh my teeth 導入クリニックはカウンセリングだけでなく、検査・診断も無料で受けられます。

歯科矯正の種類別の特徴を知ってから相談に行ってみよう

歯科矯正の種類や大人と子供の矯正方法の違い、矯正の種類別の比較ポイントを紹介しました。
お子さんに矯正治療を受けさせたいと考えている方や、ご自身の矯正を検討中の方は、まずは「矯正にはどんな種類があるのか」そして「種類ごとのメリット・デメリット(目立ちやすさや治療中の違和感など)」を知った上で、相談に行くことをおすすめします。
歯科矯正の基礎知識があれば、ドクターに的確な質問がしやすくなり、質問に対する回答の理解もしやすいです。
ぜひ今回の記事を参考に、近所のクリニックなどに矯正相談に行ってみてくださいね。
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