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歯科矯正
最終更新日:2025年11月18日

下の歯だけを矯正できる?治療方法や費用、期間をまとめて紹介

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「下の歯のガタガタを矯正して、顔の印象を変えたい」
「下の歯だけの矯正なら、費用が安く抑えられる?」
このようにお悩みではありませんか?
下の歯だけの矯正は、費用や期間を抑えられるメリットがある反面、噛み合わせの悪化など、知っておくべきリスクもあります。
この記事では、下の歯矯正のメリット・デメリットから、費用・期間の目安、後悔しないための注意点まで、わかりやすく解説します。
さらに、実際の矯正経験者の声や症例も紹介しているので、失敗したくない方はぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

そもそも下の歯だけ部分矯正できる?

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下の歯だけを矯正することは可能です。
歯列の一部のみ矯正する方法を「部分矯正」といい、軽度の歯並びのズレであれば改善が見込めます。
ただ、上下どちらか一方のみを矯正すると、以下のように全体の噛み合わせのバランスが悪くなってしまう可能性があります。
  • 特定の歯だけが強く当たり、負担がかかる
  • 奥歯でしっかり噛めなくなる
  • 顎関節に負担がかかる
噛み合わせ悪化のリスクを避け、後悔しないためには、治療のゴール設定やデメリットの理解が不可欠です。
「下の歯の部分矯正を絶対に後悔したくない」という方は、以下のセクションもぜひご覧ください。
下の歯矯正CR5

下の歯だけを矯正する3つの方法

下の歯を部分矯正するには、主に以下のような方法があります。

①ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、「ブラケット」と「ワイヤー」と呼ばれる矯正装置を歯の表面に装着する方法です。矯正の中で、最も幅広いケースに適応できます。
一方、歯の表側に矯正装置をつけるため、笑ったときなどには装置が目立ったり、食事がしづらかったりするデメリットがあります。なお部分矯正の場合は基本的に、前から数えて3番目の歯(犬歯)までの前歯を動かすことが多いです。
一般的な金属の矯正装置より値段は高くなりますが、歯の色になじんで目立ちにくい白いブラケットやワイヤーもあります。
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②マウスピース矯正

マウスピース矯正は、薄く透明に作られたマウスピース型の矯正装置をはめて歯を移動させる方法です。
マウスピース矯正の最大のメリットは、矯正装置が目立たず矯正をしていることにほとんど気付かれないこと。食事中は外せるので歯磨きもしやすく、口の中を清潔に保ちやすいです。
一方で、食事以外の時間はしっかり装着するなど、自己管理が必要なのがデメリットといえるでしょう。
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③セラミック矯正

歯科矯正とは異なりますが「セラミック矯正」と呼ばれるものもあります。
セラミック矯正は「補綴(ほてつ)治療」の一種で、歯を削ってセラミックで作られた被せ物を被せて見た目を整える方法です。
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下の歯だけを矯正するデメリット・注意点

下の歯だけの矯正を検討する際は、以下のデメリットや注意点を必ず理解しておきましょう。

①噛み合わせが悪化する可能性がある

下の歯だけを矯正すると、治療前には問題がなかった上の歯との噛み合わせにズレが生じ、全体のバランスが悪化する可能性があります。
きれいな歯並びは、上下の歯が正しく噛み合ってこそ機能します。下の歯だけを動かした結果、噛み合わせが悪くなると、食べ物がうまく噛めなくなる、顎関節を痛めやすくなるなど、別の問題につながることもあります。
↓噛み合わせ悪化のリスクを避けたい方へ
下の歯だけの治療だと、噛み合わせが悪化し、綺麗な上の歯もガタガタに見えてしまう可能性があります。
リスクを避けたい方には下の歯を含めた部分矯正がおすすめ。
下の歯だけの矯正が良いのか、部分矯正が良いのか気になる方は、ぜひ一度、Oh my teethの無料診断に行ってみてくださいね。
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②適応できる症例が限られる

下の歯だけの矯正(部分矯正)は、適応できる症例が限られます。前述の噛み合わせ悪化のリスクがあるため、一般的な矯正治療では、見た目だけでなく上下の噛み合わせも考慮して治療計画を立てる必要があります。
そのため、「下の歯だけ」といった片顎のみの矯正に対応するクリニックは多くありません。特に以下のようなケースは、下の歯だけの部分矯正では対応が難しいとされています。
  • 骨格に問題がある(例:受け口、開咬など)
  • 歯のガタガタ(叢生)やねじれ(捻転)が重度
  • 歯を並べるスペースが大幅に不足している(3mm以上など)
  • 抜歯が必要な症例
これらの症例では、奥歯を含めた全体矯正が必要となる可能性が高いです。
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③歯の表面を削る(IPR)ことがある

下の歯をきれいに並べるためのスペースが不足している場合、歯の側面をわずかに削る処置(IPR)が必要になることがあります。
IPRは、歯の健康に影響のない範囲(エナメル質の範囲内)で行われますが、「健康な歯を削ることに抵抗がある」という方にとってはデメリットと感じられるかもしれません。
【Tips】IPR(歯の研磨)って歯を削るけど本当に大丈夫?toggle-arrow
IPR(歯冠隣接面削合)は、歯を並べるスペースを作るために歯の側面をわずかに研磨する処置です 。
「歯を削る」と聞くと不安に思われるかもしれませんが、もちろん処置は歯の健康を考慮して行われます。歯の表面(エナメル質)は、体の中で最も硬い組織で、厚さが約1〜1.5mmあります。
IPRで研磨するのは、エナメル質の範囲内のみ、片側で最大0.25mm程度です。これは髪の毛2〜3本分ほどの極めてわずかな量です。エナメル質には神経が通っていないため、処置によって痛みを感じることはほとんどありません。適切に研磨・研磨後のケアを行えば、虫歯や歯周病のリスクが高まることはないとされています。

下の歯だけを矯正する3つのメリット

下の歯のガタガタなど、気になる部分だけを矯正することには、費用や期間の面で大きなメリットがあります。全体矯正と比較した場合の、主な3つのメリットを見ていきましょう。
メリット1:全体矯正より費用を抑えられるtoggle-arrow
下の歯だけの矯正(部分矯正)は、歯を動かす範囲が限定されるため、全体矯正よりも費用を抑えられるのが最大のメリットです。
Oh my teethが行った調査では、全体矯正の平均費用は80万円前後ということがわかりました。
一方、下の歯だけなど前歯周辺に限定した部分矯正の場合、平均費用は約50万円前後まで下がります。
「前歯のガタガタだけ気になる」といった場合、全体矯正の半分以下の費用で治療を受けられる可能性があるのは、大きな魅力と言えるでしょう。詳しくは「部分矯正の値段」の記事をご覧ください。
メリット2:治療期間が短いtoggle-arrow
治療期間が短い点も、下の歯だけの矯正の大きなメリットです。
全体矯正では、奥歯を含めた歯全体の噛み合わせを調整するため、一般的に約1年半~3年程度の治療期間が必要です。
しかし、下の歯の前歯だけを対象とする部分矯正では、動かす歯の移動距離が比較的短く、時間がかかる奥歯の移動を伴わないため、数ヶ月で治療が完了するケースも少なくありません。
結婚式や就職活動など、特定のイベントに向けて「短期間で見た目を改善したい」というニーズにも応えやすい方法です。
メリット3:痛みや違和感の負担が少ないtoggle-arrow
矯正治療に伴う痛みや違和感の負担が比較的少ないこともメリットとして挙げられます。全体矯正では多くの歯を同時に動かすため、装置の調整時やマウスピースの交換時に痛みを感じやすいことがあります。
一方、下の歯だけの部分矯正では、動かす歯の本数が少ないため、痛みを感じる範囲も限定的です。また、奥歯の噛み合わせを大きく変えないため、食事の際の違和感なども比較的少ない傾向があります。

下の歯の部分矯正にかかる費用比較

部分矯正の魅力の一つは、全体矯正と比べて費用を抑えて矯正できるという点です。
下の歯の部分矯正にかかる費用目安は、10〜60万円と幅があります。
なかには「治療対象とする歯の本数×〇万円」という値段設定をしているクリニックもあります(その場合は、対象部分にのみワイヤーやマウスピースを装着する)。
しかし、前述の通り上下合わせて矯正を行う歯科クリニックがほとんどなので、下の歯だけに範囲を限定しても費用が安くなるケースは多くありません。
ちなみに、下の歯の部分矯正は主に、トータルフィー制回数制の2種類の料金プランがあります。
トータルフィー制:治療プランごとに料金が設定されている。
回数制(都度払い):治療回数で料金が変動する。処置をした際に料金が発生する。
回数制は、自分の気になる部分だけを手軽に治せるのがメリットです。ただその一方で、治療期間が長引いた場合、通院する回数が増え、治療費がかさんでしまうというデメリットがあります。
トータルフィー制では、矯正にかかる費用の総額が治療開始前に提示されます。基本的に追加料金は発生せず、追加の装置や期間の延長があっても追加料金なしで受けられることが多いです。
総額があらかじめわかるトータルフィー制で矯正治療を受けると、「思ったよりも追加費用がかさんでしまった...」ということを防げます。
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下の歯の部分矯正にかかる期間比較

下の歯を対象とした部分矯正は、歯を動かす範囲が少ないぶん、全体矯正よりも矯正期間が短くて済みます。
また、ワイヤー矯正とマウスピース矯正とでは、治療期間の差はあまりありません。
ただし、決められた頻度で通院しなかった場合や、医師の指示に従わなかった場合は治療期間が延びてしまうことがあるので注意が必要です。
なお参考として、Oh my teethの部分矯正で2023年10月〜2024年9月に治療を終えたユーザーの平均矯正期間は123日(約4ヶ月)でした。軽度であれば2ヶ月程度で終わる症例もあるので、まずは無料診断にお越しください。
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【症例写真】下の歯のガタガタが部分矯正で改善した例

次に紹介するのは、マウスピース矯正「Oh my teeth」の部分矯正プランで下の歯のガタガタが改善した症例です。
期間や総額費用なども記載しているので、参考にしてください。
なお、下の歯を矯正して顔の印象(顔貌)が大きく変わることはあまりありません。
ただし症例写真を見てわかる通り、笑って歯が見えたときの印象は改善されることが期待できます。
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下の歯の部分矯正で後悔しない3つのポイント

せっかく下の歯の部分矯正をするのであれば、満足のいく結果が欲しいですよね。そこで、満足のいく下の歯の部分矯正を行うためのポイントを3つ紹介します。

①治療のゴールを明確にする

「こんなはずではなかった」と後悔しないために、まずは「自分がどこまで治したいのか」という治療のゴールを具体的にしましょう。矯正相談の前に、ご自身の希望を整理しておくことをおすすめします。
【治療のゴールの例】
  • 範囲のゴール: 「下の前歯のガタガタだけを治したい」「笑った時に見える下の前歯6本のラインを整えたい」
  • 機能のゴール: 「下の歯の見た目も気になるが、奥歯の噛み合わせもこの際しっかり治したい」
  • 期限のゴール: 「結婚式(〇月)までに、できる範囲で下の歯の見た目を改善したい」
もし治療の途中で「やっぱり上の歯も気になる」「奥歯の噛み合わせも治したい」となると、部分矯正から全体矯正へ治療計画を変更しなければなりません。矯正方法によっては途中で変更できない場合もあり、できたとしても、結果的に追加の費用や治療期間がかかってしまいます。
矯正相談の段階で「見た目の改善だけで満足か」「噛み合わせまで治したいのか」を歯科医師としっかりすり合わせることが、満足のいく治療への第一歩です。

②デメリットを理解する

下の歯だけの矯正には限界があります。メリットだけでなく、以下のようなデメリットやリスクも具体的に理解しておくことが後悔を避ける鍵です。
下の歯だけでなく、口の中全体の状況や健康を考慮して、自分に適した治療法を選択してください。
部分矯正のデメリット
  • 適応症例が限られている
  • 噛み合わせの改善は見込めない
  • 歯を削ることがある
  • Eラインの大きな変化は見込めない(顔の印象の変化は少ない)

③複数のクリニックに矯正相談に行く

満足度の高い矯正を受けるには、複数のクリニックで矯正相談を受けることがとても重要です。
実際に矯正治療を経験した方々からも、「情報収集が不足していた」という声が多く聞かれました。
矯正経験者に聞いた「治療を始める前に知っておけばよかったこと、気をつけるべきこと」
「治療にかかる総額の見積もりや確認を事前にしつこいくらい、歯科医に嫌な顔をされても絶対やっておいた方がいい」(40代男性、マウスピース矯正経験者)
「複数のクリニックから見積りをもらって比較すればよかった」(30代男性、ワイヤー矯正経験者)
「やはり費用面をしっかり確認することと、もっと何件も比較するべきだった」(30代男性、マウスピース矯正経験者)
「情報収集が足らなかったのでもっとやっておくべきだった」(40代男性、ワイヤー矯正経験者)
調査概要toggle-arrow
  • 対象:直近5年以内に治療を終えた矯正経験者 250名
  • 調査方法:オンラインアンケート調査
  • 調査期間:2025年2月28日〜3月1日
  • 設問:矯正治療を始める前に知っておけばよかったこと、気をつけるべきことがあれば教えてください。(自由回答)
クリニックによって矯正方法の実績や方針(例:抜歯か非抜歯か、マウスピース矯正かワイヤー矯正か)、そして治療にかかる費用総額や追加料金の有無が大きく異なります。
そのため、最低でも2〜3箇所のクリニックで相談を受け、それぞれの治療方針、見積もり、そして医師やスタッフとの相性を比較検討することが、後悔しないための最も確実なステップといえるでしょう。

下の歯だけの矯正に関するよくある質問(FAQ)

下の歯だけの矯正を検討する際によくある疑問についてお答えします。

Q. 下の前歯、何本から矯正できますか?

「何本から」という明確な決まりはありません。一般的に下の歯の部分矯正は、犬歯から犬歯までの前歯6本程度を対象とすることが多いです。

Q. 上の歯との噛み合わせは本当に大丈夫ですか?

噛み合わせに悪影響が出ない症例のみ、下の歯だけの矯正が可能です。ただ、実際には下の歯を動かすと、噛み合わせはほぼ確実に変化します。そのため、上下の歯並びのバランスを最優先に治療計画が立てることが大切です。

Q. 痛いですか?

痛みの感じ方には個人差がありますが、全体矯正よりも負担は少ない傾向にあります。また、マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて一度に歯を動かす距離が短く、痛みが少ないとされています。

下の歯だけの部分矯正ができるか検査してもらおう

部分矯正は「気になる下の歯だけサクッとなおしたい」といった人には適している可能性があります。
しかし、メリットだけでなくデメリットも知ったうえで検討することが大切です。
矯正相談に行く際は複数のクリニックに行ってみることをおすすめします。
マウスピース矯正 Oh my teethは診断が無料ですので、お気軽にご予約くださいね。
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