オーラルケア
最終更新日:2025年6月5日
デンタルフロスで隙間が広がる・やりすぎは誤解!本当の原因と正しいケアについて解説

「デンタルフロスを使いはじめたら隙間が広がったような気がする」
「デンタルフロスは毎日使わないほうがいいの?」
「デンタルフロスは毎日使わないほうがいいの?」
このように、デンタルフロスの使い方で不安を感じていませんか?
そこで本記事では、デンタルフロスについてわかりやすく解説。
デンタルフロスと歯の隙間の関係、デンタルフロスの正しい使い方などをまとめて紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

歯科矯正ブログ編集チーム
木村真由美
Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
目次
- デンタルフロスで歯の隙間が広がることはない
- デンタルフロスを使用して隙間が広がったと感じるワケ
- 歯茎の健康状態が良くなった
- 歯と歯茎の間の汚れが取れた
- デンタルフロスのせいじゃない!歯の隙間が広がる本当の原因とは?
- 歯周病
- 歯肉退縮
- 間違ったデンタルケア
- 歯ぎしり・食いしばり
- 歯並び・噛み合わせの不良
- 歯科矯正の影響
- デンタルフロスの正しい使い方
- デンタルフロスに関してよくある質問|FAQ
- Q1:出血するのでデンタルフロスはしないほうがいいですか?
- Q2:デンタルフロスが歯の隙間に引っかかりますが問題ないですか?
- Q3:歯の隙間がなくデンタルフロスが入りません。どうしたらいいですか?
- Q4:歯の隙間が広い箇所にもデンタルフロスが必要ですか?
- Q5:デンタルフロスを毎日やるのはやりすぎですか?
- デンタルフロスでは歯の隙間は広がらない!しっかりケアして健康な歯と歯茎をキープしよう

デンタルフロスで歯の隙間が広がることはない

インターネット上などで「デンタルフロスで歯の隙間が広がる」という情報を目にして、不安に感じている方は少なくありません。
しかし、結論からお伝えすると、デンタルフロスが原因で歯の隙間が広がることはありません。なぜなら、歯はそうとうな強い力を加えない限り、隙間ができるほど動くことはないからです。
デンタルフロスは歯みがきだけでは取り切れない汚れを除去する、効果的なデンタルケア方法です。
日本歯周病学会会誌では、歯みがきだけでは58%しか汚れを取り除けないところ、デンタルフロスを併用することで86%まで汚れの除去率があがるという研究結果が発表されています。
デンタルフロスを継続的に使用して、しっかり口腔内の健康を保ちましょう。
デンタルフロスを使用して隙間が広がったと感じるワケ

実は「デンタルフロスで隙間が広がった」と感じるのは、次のような良い兆候の現れだと考えられます。
デンタルフロスの使用で現れる良い兆候
- 歯茎の健康状態が良くなった
- 歯と歯茎の間の汚れが取れた
どうしてデンタルフロスの使用で歯の隙間が広がることが良い兆候なのか、それぞれ確認してみましょう。
歯茎の健康状態が良くなった
デンタルフロスを使用すると歯茎が健康になり、腫れが治まったり歯茎が引き締まるため歯の隙間が広がったと感じることがあります。
それは歯みがきだけでは取り切れなかった歯垢をデンタルフロスで除去した結果、口腔内の細菌が減り歯茎の健康状態も改善されるためです。
歯垢1mgには約1〜2億個の細菌が存在しているといわれ、「細菌の塊」とも呼ばれています。
細菌の塊でもある歯垢を取り除くことで歯茎が引き締まり、歯の隙間が広がったと感じるのです。
歯と歯茎の間の汚れが取れた
歯と歯茎の間や歯間に溜まっていた歯垢や食べかすがデンタルフロスで除去されることで、隙間ができたと感じるケースもあります。
どんなに入念にブラッシングしても細かい箇所まではアプローチできず、歯ブラシだけでは汚れを取り切れません。
しかも、そうして残った歯垢はそのまま放置すると石灰化して歯石になります。
歯石が沈着すると歯茎に炎症を起こしやすく、悪化すると歯茎が痩せる原因となる歯周病になってしまうため注意しましょう。
デンタルフロスのせいじゃない!歯の隙間が広がる本当の原因とは?

「デンタルフロスで口腔ケアをしているのに、明らかに歯の隙間が広がってきている」という場合には、楽観視できない原因が潜んでいる可能性があります。
特に、「冷たいものがしみる」「食べ物が挟まりやすくなる」「歯がぐらつく」などの歯茎の異常も感じるようになったら要注意です。
歯茎の異常も感じるときは、下記の原因を疑ってみましょう。
歯の隙間が広がる原因
- 歯周病
- 歯肉退縮
- 間違ったデンタルケア
- 歯ぎしり・食いしばり
- 歯並び・噛み合わせの不良
- 歯科矯正の影響
歯周病
歯周病とは歯垢に潜んでいる歯周病菌によって歯茎に炎症が起きる炎症性疾患で、歯を支える骨が溶けてしまう病気のこと。
歯周病は進行すると歯茎が痩せてしまうため、歯と歯茎に隙間ができる原因となります。
日本歯周病学会の報告によると歯周病の罹患率は25〜34歳で30%、35〜44歳で40%。若い方でも歯周病リスクはあるので、デンタルフロスやマウスウォッシュなども活用して歯茎の健康維持を心がけましょう。
歯肉退縮
歯肉退縮は「歯茎が下がる」「歯茎が痩せる」といった症状を引き起こすため、歯の隙間が広がる原因につながります。
歯肉退縮の主な要因は、加齢・ホルモンバランスの乱れ・喫煙の3つです。なぜ、この3つが歯肉退縮の要因になるのか、下記にまとめましたので確認してみましょう。
歯肉退縮の要因 | 概要 |
---|---|
加齢 | 加齢による歯肉退縮は30代から増加し、40代では8割の人に見られる。歯茎は5年で1mm、10年で2mmほど退縮するといわれる※。 |
ホルモンバランスの乱れ | エストロゲン(女性ホルモン)の増減が歯周病菌の増殖を促し、歯肉炎などのトラブルを引き起こす。 |
喫煙 | ニコチンの血管収縮作用によって歯茎への血流が滞る。結果として歯茎の栄養不足や酸素不足につながり、歯肉退縮が起こる。 |
※参考: 日本歯科医師会 歯の学校
残念ながら、歯肉退縮は進行を止めることはできても自然治癒はむずかしいといわれます。退縮した歯茎を元通りにするには歯肉移植などが必要です。
著しい歯茎退縮を感じる場合には、早めに歯科クリニックを受診して歯科医師に相談しましょう。
間違ったデンタルケア
硬すぎる歯ブラシの使用や、歯ブラシを強くこすりつけるような過度なブラッシングなどは、歯に隙間ができてしまう原因につながります。
間違ったデンタルケアは、歯茎に傷がつき炎症を起こしてしまいます。
そうならないよう歯ブラシはペンを持つようにして、歯に歯ブラシをあてたときには歯ブラシが広がらないくらいの力加減で磨くのがポイントです。
また、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使用する際にも、歯茎を傷つけないように気をつけましょう。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは歯茎に強い圧力がかかるため歯茎が炎症を起こし、結果として歯茎の健康が損なわれて歯に隙間ができてしまいます。
人間の噛む力はその人の体重程度といわれますが、食いしばると奥歯にかかる力は最大で100kgに及ぶこともあります。
歯茎の健康を保つためには、歯茎に過度な負担を与えないようにすることも大切です。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、歯科医師に相談して就寝時にマウスピースを使用するなどの工夫をしましょう。
あわせて読みたい

マウスピースの効果とデメリット| 歯ぎしり用から矯正用までタイプ別に解説
歯並び・噛み合わせの不良
歯並びや噛み合わせが悪いのも、一部の歯や歯茎に過剰な負担がかかる原因です。そうなると歯茎が炎症を起こしやすく、歯茎が下がったり歯茎が痩せたりする原因につながります。
歯並びや噛み合わせの問題は自分では解決できないため、クリニックを受診してメンテナンスを受けるようにしましょう。
マウスピース矯正の Oh my teethでは、歯科医師による矯正前のカウンセリングや精密検査を無料で実施しています。
「実は昔から歯並びの悪さが気になっている」という方も、お気軽に無料診断へ起こしください。
歯科矯正の影響
歯科矯正では「ブラックトライアングル」と呼ばれる歯と歯の間にできる三角形の隙間ができることがあります。
ブラックトライアングルは、重なっていた歯がきれいに並ぶことで、歯間の歯茎が引き伸ばされることで生じます。
また、矯正を通じてデンタルケア意識が高まり、歯茎が引き締まったことで隙間ができるということも考えられるでしょう。
デンタルフロスの正しい使い方

ここでは、より効果的にデンタルケアをしていただくために、デンタルフロスの正しい使い方をご紹介します。
まず、デンタルフロスは大きく分けると次の3つの種類に分けられます。ケアする歯に合わせ、かつ自分が使いやすいものを選んで使用しましょう。
デンタルフロスの種類
- 糸巻きタイプ......糸を指に巻きつけて使うタイプ。コスパが高いので、デンタルフロスに慣れてきたら糸巻きタイプがおすすめ。
- ホルダータイプ(F字型).....柄のついたデンタルフロスで、初心者にも使いやすいタイプ。F字型は主に前歯に使用する。
- ホルダータイプ(Y字型)......Y字型も柄のついたデンタルフロスで、デンタルフロスに慣れていない方でも使いやすい。
デンタルフロスは1日1回、就寝前の歯みがきと併用して使いましょう。デンタルフロスを歯の隙間に通すときは、歯茎を傷つけないようにゆっくり丁寧に扱うのがポイントです。
また、「デンタルフロスと歯みがきは、どちらが先がいい?」と順番で迷われる方も多いのではないでしょうか。
日本歯周病学会会誌によると、歯みがきよりも先にデンタルフロスの使用をおすすめしています。
先にデンタルフロスで歯垢を除去したほうが効率的に汚れを取り除け、かつ歯みがき粉に含まれるフッ素などが口全体に行き渡りやすくなるためです。
厚生労働省 e-ヘルスネットのこちらのページでは、デンタルフロスの使い方を動画で紹介していますので、参考にしてください。
デンタルフロスに関してよくある質問|FAQ

最後に、デンタルフロスに関してよくある質問を紹介します。
Q1:出血するのでデンタルフロスはしないほうがいいですか?
多少の出血であれば、そのままデンタルフロスを使い続けて問題ありません。
デンタルフロスを使いはじめのころは、歯茎から出血するケースがあります。
ただし、長期間にわたって出血が続くような場合は、歯周病などの歯茎の疾患が疑われるため早めにクリニックを受診しましょう。
Q2:デンタルフロスが歯の隙間に引っかかりますが問題ないですか?
いつも同じ箇所でデンタルフロスが引っかかったり糸が切れたりするときは、虫歯ができているかもしれません。
また、以前に治療した歯の被せ物などに不具合が起きていることも考えられます。
Q3:歯の隙間がなくデンタルフロスが入りません。どうしたらいいですか?
ワックスタイプのデンタルフロスがおすすめです。
糸にワックス加工してあるため、滑りやすく歯の隙間に通しやすくなっています。
Q4:歯の隙間が広い箇所にもデンタルフロスが必要ですか?
歯の隙間が広い箇所は、デンタルフロスよりも歯間ブラシを使ったほうが効果的です。
しかし、サイズが合っていないものを無理に歯間に入れ込むと歯茎にダメージを与えてしまいます。
最初は小さなサイズの歯間ブラシからはじめて、様子を見ながらサイズを上げていきましょう。
Q5:デンタルフロスを毎日やるのはやりすぎですか?
デンタルフロスは正しい使い方をしていれば、毎日使用しても問題ありません。
むしろ、歯ブラシで歯間などの取りにくい歯垢を除去することで、虫歯や歯周病、口臭の予防になります。
デンタルフロスでは歯の隙間は広がらない!しっかりケアして健康な歯と歯茎をキープしよう

適切な使い方をしていれば、デンタルフロスで歯の隙間が広がることはありません。
むしろ、デンタルフロスでしっかりデンタルケアをすることによって、歯周病や虫歯、口臭の予防にも効果的です。
毎日のデンタルケアにデンタルフロスも取り入れて、口腔内の衛生環境を整えて歯茎の健康をキープさせましょう。
なお、「歯並びから整えて口腔内の環境も改善したい」とお考えの方は、一度クリニックでのカウンセリングや診断を受けてみましょう。
マウスピース矯正の Oh my teethでは、矯正前のカウンセリングや検査を無料で実施しております。
お気軽に、お近くのOh my teeth導入クリニックの無料診断をご予約ください。