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マウスピース矯正
最終更新日:2025年6月9日

マウスピース矯正は親知らずがあってもできる?抜歯が必要な3つのケース

マウスピース矯正
「マウスピース矯正をするときに親知らずがあったら必ず抜歯が必要?」「歯茎に埋まったままなら抜かず矯正できる?」このように「できれば親知らずを抜かずにマウスピース矯正をしたい」という方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、マウスピース矯正をする上で親知らずは必ずしも抜く必要はありません。ただし、親知らずの生え方によっては矯正の邪魔になるため、抜歯をしなければならないケースもあります。
そこで本記事では、マウスピース矯正で親知らずの抜歯が必要になるケースと不要なケースを、抜歯をするメリット・デメリットとともに解説します。
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歯科矯正ブログ編集チーム

木村真由美

Oh my teethでのマウスピース矯正を経て、2021年6月に株式会社Oh my teethにジョイン。マウスピース矯正経験者としてOh my teethのオウンドメディア「歯科矯正ブログ」にて記事を更新中。ミッションは「歯並びに悩むすべての方に歯科矯正の確かな情報をお届けすること」。
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親知らずがあってもマウスピース矯正は可能

親知らずがあるからといって、マウスピース矯正ができないということはありません。なぜなら、親知らずはマウスピース矯正の対象外なので基本的に動かさないからです。
親知らずといえば抜歯のイメージが強いかもしれませんが、まっすぐに生えて歯並びや噛み合わせに影響がない親知らずは、抜かずにそのままマウスピース矯正が可能です。
また、マウスピース矯正中に親知らずが生えてきた場合も、矯正の妨げにならないのであれば治療を中断して抜歯をすることはありません。ただし、親知らずや口腔内の状態によっては、抜歯を検討した方がよいケースもあります。

マウスピース矯正で親知らずの抜歯が必要な3つのケース

マウスピース矯正前に親知らずの抜歯が必要になるのは、以下のようなケースです。

①歯並びに悪影響を与えている場合

親知らずが明らかに歯並びに悪影響を与えている場合は抜歯が必要です。そのままマウスピース矯正をしても歯が動かしにくく、治療がスムーズに進まない可能性が高いからです。
たとえば、斜めや横向きに生えている親知らずは、手前の歯を押してしまいます。矯正で歯並びを整えても、後ろから押される力がなくならない限り歯は元の位置に押し戻されてしまうのです。
このように親知らずが歯並びに悪影響を及ぼしていると判断された場合は、事前に抜歯を行います。日本人は比較的あごのサイズが小さく、親知らずが生えるスペースが不足しているため、まっすぐ生えていないケースが多い傾向にあります。
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②歯を動かすスペースが必要な場合

以下のような、あごのサイズが小さく歯をきれいに並べるためのスペースが足りない歯並びも、矯正前に親知らずの抜歯が行われるケースがあります。
【スペース不足が原因で抜歯が必要になる歯並び】
  • 叢生(デコボコの歯並び)
  • 出っ歯
  • 受け口
歯を並べるスペースが足りない場合、奥歯を後方へ動かしてスペースを確保すること(後方移動)があります。その際、親知らずがあると邪魔になって歯を後方に下げるスペースが限られるため、抜歯が必要になるのです。
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③虫歯や歯周病になっている場合

一番奥にある親知らずは半分埋まっていることもあるため、ブラッシングがしにくく、虫歯や歯周病になるリスクが高い歯です。すでに虫歯や歯周病になっている場合、治療をするよりも抜歯をすすめられることがあります。
なぜなら、このような歯を残したとしても将来的に痛みや腫れが出たり、トラブルを起こす可能性が高いからです。また、進行度合いによっては矯正を中断して虫歯や歯周病の治療が必要になることも。そうなると矯正が計画通りに進まなくなり、治療が長引く原因にもなり得ます。
このような理由から、虫歯や歯周病のリスクが高いと判断された親知らずは、マウスピース矯正前に積極的な抜歯を提案されることが多いのです。
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マウスピース矯正で親知らずの抜歯が不要な3つのケース

マウスピース矯正前に親知らずの抜歯が不要になるのは、以下のようなケースです。

①歯を並べるスペースが十分にある場合

歯を並べるスペースが十分にある場合は、無理に親知らずの抜歯をする必要はありません。たとえば、すきっ歯のようにもともと歯並びに余分なスペースがある場合、問題のない親知らずであれば抜歯は不要です。

②IPRでスペース確保ができる場合

歯を並べるスペースを確保する方法には、抜歯と後方移動のほかにIPRもあります。IPRは歯を削る処置ですが、痛みがでたり虫歯になる心配はありません。
削る量は、1ヶ所・1回あたり最大0.5mm程度です。そのため理論上、合計で4~6mm程度歯の移動スペースを確保できることになります。
なお、エナメル質の厚みは1〜1.5mmですが、個人差があるため歯や歯列の状態にあわせて削る量を調整しながら処置を行うのが一般的です。
軽度の出っ歯やデコボコの歯並びなどは、抜歯をしなくてもIPRのみでスペースを確保できることがあります。
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③親知らずの根っこがなく歯茎に埋まっている場合

親知らずの根っこが形成されておらず、歯茎の中に埋まったままの状態であれば、抜歯をしなくてもマウスピース矯正に支障はありません
ただし、矯正中や矯正後に根っこが形成されて生えてくる場合があります。歯茎の中に埋まっていても、横向きになっている親知らずは将来的に隣の歯を押してしまう可能性もゼロではありません。
治療の妨げや矯正後に後戻りの原因になり得ると判断された場合は、マウスピース矯正前に抜歯を提案されることもあります。
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マウスピース矯正で親知らずを抜歯するメリットとデメリット

マウスピース矯正で親知らずの抜歯を行うと、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
デメリット
・歯をきれいに並べやすくなる
・矯正後に後戻りするリスクを減らせる
・虫歯や歯周病になるリスクを減らせる
・抜歯後に痛みや腫れを引き起こすことがある
・顔に内出血による青あざができる可能性がある
・下あごの中を通る神経を傷つけると麻痺などを引き起こす恐れがある
マウスピース矯正で親知らずを抜歯するメリットは、歯を並べるスペースが増えるため、きれいに並べやすくなることです。また、まっすぐに生えていない親知らずを抜くことで、矯正後にきれいに並んだ歯並びを押し戻すリスクも減らせます。
さらに、あらかじめ磨きにくい親知らずを抜歯することで、虫歯や歯周病で矯正治療が中断するリスクを減らせるといった点もメリットです。
一方で、どの治療にもリスクがあるように、親知らずの抜歯後に痛みや腫れを引き起こす可能性があります。特に歯茎の中に埋まっていたり歯根の形が複雑な親知らずの抜歯は、難しい処置が必要になるので、痛みや腫れが長引くこともあるでしょう。
ほかにも、顔に内出血による青あざができたり、下あごの中を通る神経を傷つけると麻痺などを引き起こすリスクもあります。マウスピース矯正で親知らずの抜歯が必要となった場合は、事前にしっかり説明を受けて、リスクも理解した上で行うことが大切です。

マウスピース矯正で親知らずを抜歯するタイミング

マウスピース矯正で親知らずを抜歯するタイミングは、基本的に矯正をはじめる前に行うことが多いです。矯正中でも抜くことはできますが、腫れや痛みでマウスピースがつけられなくなることがあります。
歯科医師の治療方針や患者さんの置かれている状況によってもベストなタイミングは異なるので、担当医とよく相談して決めるようにしてください。
親知らずの抜歯は難易度が高く、大学病院の口腔外科などへ紹介されるケースも少なくありません。そのため、親知らずの抜歯をする場合は、矯正を始めるまでの時間がかかってしまうこともあります。

親知らずを抜かずにマウスピース矯正ができるか相談してみよう

マウスピース矯正をする際、まっすぐ生えている親知らずは必ずしも抜歯が必要になるわけではありません。ただし、矯正をする上で親知らずが邪魔になっている場合、抜いた方がいいケースもあります。
「できれば抜歯は避けたい」と考える方も多いとは思いますが、理想の歯並びを手に入れるためにベストな選択をすることが大切です。まずはカウンセリングに行って、あなたの親知らずを抜かずにマウスピース矯正ができるかを相談してみましょう。
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