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歯科矯正
最終更新日:2025年7月29日

ワイヤー矯正の種類は?体験談を元にメリットやデメリットを紹介

ワイヤー矯正の種類と値段
歯列矯正の中で最も歴史が深く、適応症例が広いとされているワイヤー矯正。
話では聞いたことがあるけれど、痛みやよく見るギラギラした見た目が気になる方も多いのではないでしょうか。
「ワイヤー矯正」の中には表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正の3種類があり、それぞれで見た目や特徴・費用などが変わります
そこで本記事では、3つのワイヤー矯正の種類について徹底解説します。
「私はワイヤー矯正が合っているの?どの歯列矯正をするべき?」と悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧くださいね。
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歯科医師

西尾万樹

東京表参道矯正歯科 院長。北海道医療大学歯学部卒業。2018年歯科医師免許取得。旭川医科大学病院口腔外科にて研修後、矯正歯科勤務。2020年コスメコンシェルジュ取得。

ワイヤー矯正とは?

ワイヤー矯正とは、ブラケット(ワイヤーを固定させるための小さな装置)という装置を歯に貼り付け、そこにワイヤーを通す矯正方法です。
このワイヤーが歯を引っ張り、徐々に理想的な位置に移動させていくのが、ワイヤー矯正治療の仕組みです。
歯に貼り付けるブラケットは、基本的に歯列矯正が終わるまで外すことはなく、歯にくっついたままの状態です。
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【ワイヤー矯正?マウスピース矯正?】自分に合った種類の選び方

ここでは、自分に合った矯正方法の見分け方について簡単に説明します。ワイヤー矯正を検討していた方も、本当に自分に合っているのかもう一度確認してみましょう。

症状が軽~中度の人はマウスピース矯正

歯並びの悪さが軽~中度の人は、マウスピース矯正で改善できる可能性があります。ワイヤー矯正の目立ちやすさが気になる方は、マウスピース矯正ができないか、一度検査を受けてみるのがおすすめです。
マウスピース矯正ならワイヤー矯正に比べて値段が安く、部分矯正なら期間も短いです。ただし軽~中程度の症状に当てはまるのかは自己判断できないため、まずは歯科医院で検査を受けることが大切です。
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一般的にマウスピース矯正の適合診断が出るまでには3〜5万円程度の費用がかかりますが、Oh my teeth 導入クリニックなら無料です。
無料診断だけして帰るのもOKなので、気軽に検査して今後の矯正検討の際に役立ててくださいね。
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症状が重度の人はワイヤー矯正

歯並びの悪さが重度の人は、マウスピース矯正では対応が難しい可能性があるので、ワイヤー矯正も検討してみましょう。
ワイヤー矯正は、重度のガタつきや抜歯をして大きく歯を移動させなければならない歯並びなどでも対応できます。
また、マウスピース矯正に比べて値段が高く、矯正器具が目立ちますが、種類によっては値段を安く抑えられたり自然に見えたりするものもあります。
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【ワイヤー矯正の種類別】メリット・デメリット

ワイヤー矯正は、矯正装置を歯の「外側に付けるか」「内側に付けるか」によって、以下の3種類に分けられます。
ワイヤー矯正の種類
  • 表側矯正:上下のあごの歯いずれも表側に装置をつける
  • 裏側矯正:上下のあごの歯いずれも裏側に装置をつける
  • ハーフリンガル矯正:上あごの歯は裏側に、下あごの歯は表側に装置をつける
それぞれの治療法が理解できるように、詳しく見ていきましょう。

表側矯正

表側矯正は、ワイヤーとブラケットを歯の表側につける矯正方法です。適応症例が最も広く、さまざまな歯並びの乱れに対応できます。
費用の相場に関しては、全体矯正で60万~130万円で、治療にかかる期間は1~3年程度です。

メリット

  • 適応症例が最も広い
  • 矯正装置が外側にあるため、発音に影響しにくい
  • 矯正装置を目視できるため、ブラッシングが行き届きやすい

デメリット

  • 矯正装置が外側にあるため目立つ
  • 矯正装置によって口元が突き出て見える
  • 食べかすが引っかかった際に目立つ
  • 矯正装置が外側にあるため、頬の粘膜に当たって違和感や痛みが出ることがある

表側矯正の口コミ

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表側矯正とは?メリット・デメリットや特徴を徹底解説

裏側矯正

ブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着する矯正方法です。
費用の相場は、全体矯正で100万~170万円で、治療にかかる期間は2~3年程度です。
裏側矯正の装置はオーダーメイドであることが多く、ドクターの技術力が必要なので、費用が高額になり期間も長くかかる傾向にあります。

メリット

  • 矯正装置が内側にあるため目立ちにくい
  • スポーツなどでボールが口元に当たった際、矯正装置で口腔内が傷つくリスクが低い

デメリット

  • 表側矯正と比較して適応症例が狭まる傾向にある
  • 表側矯正よりも医師の技術力が必要
  • 装置が内側にあり舌を動かしにくいため発音に影響がでやすい矯正装置を目視しにくくブラッシングしにくい
  • 表側矯正と比較して治療期間が長くなる傾向にある

裏側矯正の口コミ

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私の通っていたクリニックは毎月1回しか矯正対応の日が設けられていなかったため、それを逃すと来月にずれ込み、矯正期間が伸びます。
ワイヤー矯正は毎月の通院が必要なことがほとんどなので、忙しい人は注意が必要です。
こちらのクリニックは矯正開始後の定期的な通院が原則不要なので、「毎月通院ができないから矯正期間が伸びちゃった…」ということが起こりません。
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ハーフリンガル矯正

ハーフリンガル矯正とは、上あごの歯は裏側に、下あごの歯は表側にブラケットとワイヤーを装着する矯正方法です。
ハーフリンガル矯正は、「上の歯には装置が内側にあることで目立ちにくく」、「下の歯は装置を外側に付けることで、効率良く歯並びを整える」ことができます。費用の相場は、全体矯正で80万~150万円で、治療にかかる期間は2~3年程度です。

メリット

  • 上の歯は装置が内側にあるため、表側矯正よりも装置が目立ちにくい
  • 裏側矯正よりも費用が安い傾向にある
  • 裏側矯正よりも治療期間が短い傾向にある
  • 下の歯は装置が外側にあるため、裏側矯正よりも発音に影響が出にくい

デメリット

  • 表側矯正よりも適応症例が狭まる
  • 大きく口を開けたり、下の口唇を強く引っ張ったりすると、下の矯正装置が少し見えることがある
  • 表側矯正よりも費用がかかる

ハーフリンガル矯正の体験談

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ハーフリンガルは表側矯正と裏側矯正のメリットをあわせ持つ矯正方法すが、双方のデメリットもあわせ持っています。
表側矯正よりは費用が高くなってしまうため、目立ちにくさをとるか、安さをとるか、と迷う方が多いようです。
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ワイヤー矯正で使う矯正装置ごとの違い

ワイヤー矯正は、主にブラケットとワイヤーの2つの装置を使います。
特にブラケットは種類が豊富にあり、特徴もそれぞれ違います。
目立たないワイヤー矯正を検討している人は、ブラケットとワイヤーの種類を工夫することで、表側矯正への抵抗感を軽減することができるでしょう。
目立たない矯正装置について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてくださいね。
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種類
特徴
費用目安
メタルブラケット
最も一般的な金属製のブラケットで目立ちやすい
30万〜80万円
ハイブリッドブラケット
目立ちにくく手頃な値段
35万〜80万円
プラスチックブラケット
目立ちにくく手頃な値段
60万〜90万円
ジルコニアブラケット
美しく強度に優れる
65万〜100万円
セラミックブラケット
歯の色調と近く目立ちにくい
65万〜100万円
ホワイトワイヤー
白く目立ちにくいワイヤー
+10万円

メタルブラケット

最も一般的な金属のブラケットです。
金属製のためやはり目立ちますが、以前より一つひとつが小さくなってきています。
またブラケットの中では丈夫で厚みが薄く、装置をつけても口腔内の違和感が少ない特徴があります。
ワイヤー矯正の中では治療費相場が最も安く、値段目安は30〜80万円です。

ハイブリッドブラケット(審美ブラケット)

プラスチックの中にセラミックフィラー(虫歯治療で使用する白い材料)を閉じ込めることで強度を上げた、ハイブリッド素材のブラケットです。
審美ブラケットの中では35〜80万円と手頃な値段なため、目立たないワイヤー矯正を検討する上でまず選択しやすいブラケットです。

プラスチックブラケット(審美ブラケット)

プラスチックブラケットは透明で目立ちにくいです。
ただしプラスチックのため変色しやすく、厚みがあります。またメタルブラケットよりも耐久力が弱く、矯正期間が長くなる傾向があります。
しかし最近では樹脂素材を変えた改良版なども出はじめ、以前よりも矯正スピードも劣らなくなってきています。
値段の目安は60〜90万円です。

ジルコニアブラケット(審美ブラケット)

「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるジルコニアを使ったブラケットです。
白く美しいジルコニアブラケットは、表面が滑らかで汚れがつきにくく変色もしにくいため、長期間になりがちな矯正期間中、美しい状態に保ちやすいです。
また、ジルコニアブラケットは美しさだけでなく強度にも優れます。
そのため、ほかの審美ブラケットより粒が小さく、より目立たない矯正が可能に。
さらにワイヤーとの摩擦が少なく、弱い力で歯を移動させられるので矯正中の痛みも少ないです。
このようにメリットが多いジルコニアブラケットですが、値段の目安は65〜100万円と高額です。

セラミックブラケット(審美ブラケット)

歯の色調に近く目立ちにくいブラケットです。
セラミック(陶器)は汚れや変色に強い一方、メタルブラケットよりやや強度が劣ります。
値段目安は65〜100万円で高額なブラケットです。
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セルフライゲーションブラケット

一般的なブラケットは、「ワイヤーとブラケットを細い針金やエラスティックゴムを使って固定」しますが、セルフライゲーションブラケットは、「ブラケット自体がワイヤーを固定するためのクリップ構造」になっています。
そのためクリップを閉じることで針金やゴムを使わなくてもワイヤーを固定できるように。
この構造の結果、ワイヤーとブラケットの摩擦が小さくなり、効率よく歯に矯正力をかけることが可能になりました。
従来の装置よりも小さい力で効率的に歯を動かせるため、治療期間の短縮や痛みの軽減が見込めるワイヤー矯正です。
値段の目安は70〜90万円ですが、表側ワイヤー矯正の値段+8万円程度の追加料金で設定しているクリニックもあります。

ホワイトワイヤー

ワイヤー矯正に使うワイヤーを、白く目立たないようにしたものです。
銀色のワイヤーを白く塗装したものと、ロジウムという白い金属でコーティングしたものがあります。
白い色は歯に馴染むため、審美ブラケットと組み合わせることでより目立たないワイヤー矯正ができます
クリニックによって料金設定は異なりますが、銀色のワイヤーを用いるワイヤー矯正の値段+10万円程度が目安です。

ワイヤー矯正で使うワイヤーの種類

歯並びを整える重要な役割を持つワイヤーにも種類があり、使い分けることで歯にかかる力を調節し、歯を動かしていきます。
ワイヤー矯正は1か月に1回を目安にクリニックに通い、ワイヤーの調整や交換を行います。矯正の段階に応じてワイヤーを締め直して、歯にかける力を調整しているのです。
以下のように、矯正の段階に応じてワイヤーの種類を使い分けることが多いです。
  • 矯正初期〜中期:すべりのよい断面が丸いワイヤーで弱い力をかけながら歯を移動
  • 矯正後期:断面が四角いワイヤーに変更し、歯の傾きなどをコントロールしながら仕上げる

ワイヤー矯正でよくある質問(FAQ)

ここからはワイヤー矯正でよくある質問を紹介します。

ワイヤー矯正中にキスできる?

唇と唇が触れ合う程度のキスなら特に問題はありませんが、大人のキスは要注意です。
特にワイヤー矯正の中でも、表側矯正の場合は矯正装置が外側にあるので、大人のキスの場合は、ブラケットやワイヤーが触れて相手の舌が傷つく恐れもあります。
ワイヤー矯正中のキスに関しては、以下の記事で詳しく取り上げているので、参考にしてくださいね。
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ワイヤー矯正中の食事で気を付けることはありますか?

ワイヤー矯正の場合は、ブラケット装置の表面に食べ物が詰まりやすく、特に野菜やお肉などの繊維物は注意が必要です。
そしてワイヤーとブラケット装置のあいだにも食べ物が詰まりやすい傾向があります。
その場合は、タフトブラシや歯間ブラシなどを使用することをおすすめします。

ワイヤー矯正は口内炎ができやすいですか?

ワイヤー矯正は、ブラケットやワイヤーの先が唇や舌に当たって、口内炎ができることがあります。
もし、痛みの強い口内炎で我慢できない場合は、クリニックで装置をカバーしてもらうなどの処置をとると、痛みは緩和できます。

ワイヤー矯正ができない人はいますか?

結論から言うと金属アレルギーの人にはおすすめできません。これは、表側矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正の全てに言えることです。
マウスピース矯正なら、金属を全く使用していないので、金属アレルギーの人でも歯列矯正できます

ホワイトニングを行うならワイヤー矯正が終わってからですか?

「オフィスホワイトニング(歯科で行うホワイトニング)」の場合で、裏側矯正ならすぐにできます。ただし、「ホームホワイトニング(お家で行うホワイトニング)」の場合は、ホワイトニングのマウスピースが入らないので、裏側矯正が終わってからになります。
他の表側矯正とハーフリンガル矯正の場合は、矯正装置が外側に付いているため、オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングの両方とも、矯正が終わってから行うことになるでしょう。

ワイヤー矯正は目立ちにくさや歯並びの乱れの観点で選ぼう

ワイヤー矯正は、「表側矯正」「裏側矯正」「ハーフリンガル矯正」という装置を装着する場所による種類があるだけでなく、装置の構造や素材による種類もさまざまです。
組み合わせによって、なるべく短期間に、より目立たないワイヤー矯正を目指すことも可能です。
「ワイヤー矯正」と一口に言っても選択肢は豊富なので、それぞれの特徴やメリット・デメリットを知った上で選ぶとよいでしょう。
ただし、歯並びの状態によっては適さない種類もあります。
まずは自分の歯並びを検査してもらい、選択肢を提示してもらいましょう。
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