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最終更新日:2025年7月25日

前歯を削る前に知るべきリスクと費用|後悔しないための歯科治療の知識

前歯が大きい歯並び

「歯並びを治すのに、前歯を削る必要があるって言われた」

「出っ歯が気になるけど、歯を削るのは怖い。他に方法はないの?」

自分の大切な歯を削るという行為には、どうしても抵抗を感じてしまいますよね。

前歯を削る治療は、メリットがある一方で、元には戻れないリスクも伴います。

そのため、治療を受ける前に目的や方法、リスクなどについて理解することが重要です。

そこで本記事では、「前歯を削る」代表的な3つの治療法とその費用から、知っておくべき3つの重大なリスクまで詳しく解説。さらに、歯を削らずに悩みを解決する方法もご紹介します。

Oh! Black
歯科矯正ブログ編集チーム

Oh my teeth

マウスピース矯正「Oh my teeth」ホームホワイトニング「Oh my teeth Whitening」を提供するOh my teethのコンテンツチームです。Oh my teeth導入クリニックのドクターと連携し、歯科矯正やホワイトニング、自社ブランドに関する確かな情報を発信しています。

「前歯を削る」治療とは?3つの主な方法

ラミネートベニア

まず、「前歯を削る」と一言で言っても、その目的によっていくつかの方法があります。ここでは代表的な3つの方法と、それぞれの費用の目安をご紹介します。

①歯の形・長さをわずかに削る「形態修正(カンタリング)」:費用目安 10,000円〜

形態修正(カンタリング)とは、歯の先端や角をほんの少しだけ削って、形をきれいに整える治療法です。

エナメル質の範囲内(通常1mm未満)で、ごくわずかな量を削ることで歯の表面を滑らかにしたり、左右のバランスを整えたりする目的で行われます。歯並び全体を動かすのではなく、歯の形そのものにアプローチする方法です。

たとえば、「前歯の先端が少しギザギザしている」「片方の前歯だけが少し長くて気になる」「犬歯の先端が尖りすぎている」といった場合に、その部分だけを削って丸みを持たせ、自然な見た目に整えます。

審美目的のため、基本的に保険適用外(自費診療)となります。

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②歯の側面を削りスペースを作る「IPR(ディスキング)」:費用目安3,000円〜

IPR(ディスキング)とは、主に歯科矯正の過程で、歯と歯の間の側面(隣接面)をほんの少し削り、歯を動かすためのスペースを作り出す処置です。

歯並びにガタつきがある場合、歯をきれいに並べるにはスペースが必要です。抜歯するほどではない軽度〜中等度のスペース不足の場合、各歯の側面を0.2mm〜0.5mm程度ずつ削ることで、歯列全体で数ミリのスペースを生み出すことができます。

たとえば、マウスピース矯正やワイヤー矯正で、歯を抜かずに治療したいという場合に、このIPRが用いられます。

費用は矯正治療費の中に含まれていることも多いです。

③歯の表面を削りセラミックを貼る「ラミネートベニア」:費用目安 50,000円〜

ラミネートベニアとは、歯の表面を薄く削り、その上からネイルチップのようなセラミック製の薄いシェルを貼り付けて、歯の色や形、すき間などを改善する審美歯科治療です。

歯の表面を0.3mm〜0.5mm程度削ることで、セラミックシェルを貼り付けるためのスペースと接着力を確保します。歯を動かすのではなく、いわば「付け歯」でカモフラージュし、見た目を改善する目的で行われます。

たとえば、「ホワイトニングでは白くならない歯の色を改善したい」「前歯の小さなすき間を埋めたい」といった場合に選択されます。

歯並び自体を治すわけではないため、噛み合わせに問題がある場合は適していません。

こちらも自費診療となります。

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【重要】健康な歯を削る、後戻りできない3大リスク

歯の構造

「前歯を削る」治療にはメリットもありますが、一度削ってしまった歯は二度と元には戻りません。健康な歯を削ることの重大なリスクを理解しておきましょう。

①エナメル質を失い、歯が弱くなる・しみやすくなる

歯を削るという行為は、歯を外部の刺激から守っているエナメル質を削り取ってしまうことであり、歯そのものを弱くし、知覚過敏を引き起こすリスクがあります。

エナメル質は、体の中で最も硬い組織ですが再生能力がありません。

エナメル質が薄くなると、冷たいものや熱いもの、歯ブラシの接触などが「キーン」としみるような痛みを感じるようになることがあります

特にIPRやラミネートベニアのように、ある程度の量を削る場合は、このリスクが高まります。

②象牙質が露出し、虫歯のリスクが急増する

エナメル質の内側にある象牙質(ぞうげしつ)まで歯を削ってしまうと、虫歯になるリスクが急激に高まります

象牙質は、エナメル質に比べて柔らかく、酸にも弱い組織です。そのため、一度象牙質が露出すると、虫歯菌の出す酸によって非常に溶けやすく、虫歯の進行も早くなってしまうのです。

上記で紹介した処置の場合、エナメル質の範囲内で削るよう細心の注意を払いますが、もともとエナメル質が薄い方や、予想以上に削る必要があった場合、象牙質が露出してしまう可能性はゼロではありません。

歯を削ることは、将来的な虫歯リスクを高める行為であることを理解しておく必要があります。

③神経を傷つけ、激しい痛みや歯の変色を招くことも

万が一、歯の内部にある神経(歯髄:しずい)の近くまで歯を削りすぎてしまうと、激しい痛みを引き起こしたり、最悪の場合、歯の神経が死んで黒っぽく変色してしまったりするリスクがあります。

歯を削る際の振動や熱が、神経に大きなダメージを与えてしまうことがあるからです。神経が炎症を起こすと、何もしなくてもズキズキと痛む「歯髄炎(しずいえん)」になります。

さらにダメージが進んで神経が死んでしまうと、痛みはなくなりますが、歯に栄養が行き渡らなくなり、時間とともに歯が黒ずんできます。

もし歯の神経が死んでしまった場合は、歯の根の治療(根管治療)を行い、死んだ神経を取り除かなければなりません。

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「前歯を削る」治療が向いている人・向いていない人

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では、どのような場合に「前歯を削る」治療が適しているのでしょうか。メリットとリスクを踏まえた上で、向いている人とそうでない人の特徴を見ていきましょう。

向いている人:歯並びに問題がなく、形だけを少し整えたい方

前歯を削る治療が向いているのは、奥歯の噛み合わせを含めた歯並び全体には問題がなく、純粋に「歯の形」や「歯の色」だけをピンポイントで改善したい方です。

先ほど挙げたような「前歯の先端がギザギザしている」「ホワイトニングで白くならない歯の色を変えたい」「小さなすき間を埋めたい」といったお悩みがこれにあたります。

向いていない人:出っ歯やガタガタなど、歯並び自体に問題がある方

一方で、出っ歯やガタガタ(叢生)など、歯並びそのものや噛み合わせに問題がある方が、歯を削る治療だけで解決しようとすることは、基本的におすすめできません

根本的な原因である歯並びが改善されていないため、削って作った被せ物に無理な力がかかり、すぐに壊れたり外れたりする可能性があるからです。

たとえば、出っ歯を治したいからといって、前に出ている前歯を大きく削って被せ物(セラミッククラウンなど)をする治療法があります。「セラミック矯正」とも呼ばれますが、実際には矯正ではなく、健康な歯を大きく削る行為です。

歯の寿命を縮めるため、良心的な歯科医師は推奨しません。

歯並びが原因のお悩みは、歯を削るのではなく、次に紹介する「歯科矯正」が長期的に見て安全で賢明な選択です。

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歯を削らずに前歯の悩みを解決するなら歯科矯正を検討する

治療

歯科矯正は、歯を削って見た目をごまかすのではなく、歯を支える骨の代謝を利用して、歯そのものを正しい位置へと動かしていく治療法です。

見た目の美しさはもちろん、正しい噛み合わせという機能的な健康も手に入れることができます。

先ほど解説したIPRのように、矯正治療の過程で歯をわずかに削ることはありますが、これは抜歯を避け、より良い結果を得るための計画的な処置です。

ラミネートベニアやセラミッククラウンのように、歯の神経を抜いたり、歯を大きく削ってしまったりするリスクとは全く異なります。

歯の健康を第一に考えるなら、安易に歯を削る選択をする前に、まずは歯科矯正という根本的な治療法を検討することをおすすめします。

マウスピース矯正Oh my teethでは、歯を削る治療を提案された方のための無料診断を実施しています。

本当に歯を削る必要があるのか、マウスピース矯正で解決できるかどうかを専門医が詳しく診断いたします。

健康な歯を削る前に、まずは歯科矯正という選択肢を検討してみませんか。

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前歯を削る治療に関するよくある質問(FAQ)

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ここでは、前歯を削る治療に関するよくある質問を紹介します。

前歯を削るのに痛みはある?麻酔は必要?

エナメル質の範囲内をわずかに削るIPRや形態修正では、通常痛みはなく、麻酔も不要です。

しかし、その内側の象牙質に近づくほど、神経への刺激が伝わりやすくなり、痛みを感じるようになります。

そのため、ミネートベニアのようにある程度の量を削る場合は、麻酔を使用することもあります。

治療法によって痛みの有無や麻酔の必要性は異なりますので、不安な点は事前に歯科医師に確認しましょう。

前歯を削る治療は、保険適用される?

虫歯治療など、病気の治療を目的としない限り、審美的な治療は基本的に保険適用外の自費診療となります。

「歯の形を整えたい」「歯を白くしたい」といった目的で行う形態修正やラミネートベニアは、全額自己負担の自費診療です。矯正治療の一環で行われるIPRも矯正治療自体が自費診療であるため、保険は適用されません。

前歯を削った後、歯が変色するって本当?

はい、歯を削ったことが原因で将来的に歯が変色するリスクはあります

ラミネートベニアやセラミッククラウンなどの被せ物をした場合、セラミック自体は変色しませんが、その境目から自分の歯が変色して見えることがあります。

また、削った部分に色の濃い飲食物(コーヒー、カレーなど)の色素が沈着しやすくなることも。

削った歯が虫歯になると、その部分が茶色や黒っぽく変色します。

前歯を削る決断の前に、まずは無料診断で専門家のセカンドオピニオンを

一度削ってしまった歯は、どんなにお金をかけても二度と元には戻らない、取り返しのつかない処置です。

特に、出っ歯や歯並びの乱れといった根本的な原因が噛み合わせにある場合、安易に歯を削る治療を選ぶと、将来的なトラブルにつながる可能性があります。歯の健康を長期的に守るためには、歯並びそのものを整える「歯科矯正」が有効な選択肢となるケースが多くあります。

自分の歯の悩みがどの治療法に適しているのか、本当に歯を削る必要があるのか。後悔しない決断をするために、まずは信頼できる歯科医師に相談し、セカンドオピニオンを聞くなど、慎重に検討を進めましょう。

マウスピース矯正Oh my teethでは、歯を削る治療を迷っている方のためのセカンドオピニオンとして、無料診断を提供しています。

経験豊富な歯科医師が、あなたの歯の状態を詳しく診断し、本当に歯を削る必要があるのか、マウスピース矯正で改善可能かどうかを丁寧にお答えします。

大切な歯を削ってしまう前に、まずは他の選択肢があるかどうかを確認してみませんか。お気軽にご相談ください。

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