マウスピース矯正は痛い?すでに痛いときの対処法5つとNG行為【歯科医師解説動画付き】

「マウスピース矯正を試したいけど、どれくらい痛いのかな?」
「死にそうなほど痛いことはある?」
マウスピース矯正を試したいけれど、このような不安を抱える方は少なくありません。
本記事では、マウスピース矯正の痛みについて解説し、痛みが生じる原因やその対処法、痛みに対してのNG行為も紹介します。
すでにマウスピース矯正中で痛みが気になって悩みを抱えている方も、ぜひ参考にしてください。

目次
- 【マウスピース矯正中は痛い?】痛みの原因や理由5選
- ①歯を動かす力が加わるから
- ②マウスピース装置が粘膜にあたるから
- ③口内炎ができるから
- ④新しいマウスピースは最初はフィットしにくいから
- ⑤歯根膜が敏感になっているから
- マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べると痛くないって本当?
- 痛みの感じ方には個人差がある
- 取り外しができるから痛みが和らぐ時間がある
- 取り外しができる分自己管理が必要
- マウスピース矯正で痛いと感じる瞬間8選
- ①矯正開始後
- ②マウスピース交換後
- ③アタッチメント装着後
- ④食事中
- ⑤食後
- ⑥マウスピースの着脱時
- ⑦ゴムかけを行った後
- ⑧虫歯になった時
- マウスピース矯正で痛い時の対処法
- マウスピースを一旦外す
- 痛み止めを飲む
- 痛みを和らげるツボ押しをする
- マウスピースのフチを削る
- 食事を工夫する
- 虫歯や歯周病の治療をきちんと受ける
- マウスピース矯正中で痛いときのNG行為
- マウスピースを頻繁に外す or 長時間外す
- 市販の痛み止めをドクターへの相談なしに服用する
- 固いものを食べる
- 冷やしたり温めたりする
- 痛みがひどい時は担当医師へ相談を

マウスピース矯正中に痛みが発生するのは、以下のような理由からです。
歯を動かす力が加わるから
マウスピース装置が粘膜に当たるから
口内炎ができるから
新しいマウスピースは最初はフィットしにくいから
歯根膜が敏感になっているから
以下の動画ではマウスピース矯正の痛みについて、歯科ドクターが解説しています。
①歯を動かす力が加わるから
マウスピース矯正では、マウスピースをはめた時に歯を動かす矯正力がかかります。
その際、以下のようなときにぎゅーっと締め付けられるような、圧迫感のある痛みが発生することがあります。
マウスピース矯正の開始後
新しいマウスピースに交換したときの1〜2日目
そして3日以内には、違和感や痛みは引いていくこと多いです。
②マウスピース装置が粘膜にあたるから
マウスピースのフチが歯茎にあたると痛みを感じることがあります。また、話しているときにマウスピースのフチが舌にあたり、痛みを感じることも。
マウスピースのフチがとがっている場合は、爪切りについているやすりなどを利用して丸めることが可能です。詳しくは後ほど紹介します。
③口内炎ができるから
マウスピースの縁が舌などにあたり、口内炎が発生することがあります。
金属製のワイヤーとブラケットを装着するワイヤー矯正よりは発生しにくいですが、マウスピースの縁が尖っていると、口腔内が傷つき、傷口から口内炎になることも。
口内炎ができると食事によってしみたり、痛みが出ることもあります。
④新しいマウスピースは最初はフィットしにくいから
新しいマウスピースを装着した直後に痛みが出ることがあります。これは、現在の歯並びとマウスピースによって設計されている歯並びのズレが大きいからです。
ズレが大きいと歯にかかる力も大きくなるため、締め付けられるような圧迫感のある痛みを感じやすいとされています。
マウスピース矯正の場合、1〜2週間ごとにマウスピースを交換して歯を動かしていきます。
痛みは2〜3日続き、最長で1週間ほどで痛みが和らぐことが報告されています。
参考文献: Perception of Pain in Orthodontic Treatment With Thermoformed Aligners
⑤歯根膜が敏感になっているから
マウスピース矯正中は、食べ物を噛んでいるときにも痛みが発生することがあります。
咀嚼時は歯や歯茎に負荷がかかるため、矯正中はその負荷から痛みをともなう場合があるのです。
矯正中は歯の根元部分の繊維(歯根膜)が敏感になっているため、特に硬い食べ物を咀嚼すると圧力が大きくかかり痛みを感じやすいです。
咀嚼時の鈍痛を防ぐには、前述したような痛みのタイミングを知ることが大切。そして痛みが収まるまでは、なるべく硬いものなどを避けたり、何回も噛まなくていいように小さく切ったりして工夫してみましょう。

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「マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて痛みが少ないの?」という疑問に対する回答と、マウスピース矯正の痛みに関するSNSの声を紹介します。
以下の動画ではマウスピース矯正とワイヤー矯正をしている2人のリアルな声が見られます。痛みに関する話もしていますので、マウスピース矯正とワイヤー矯正との違いを知りたい方はあわせて参考にしてみてくださいね。
痛みの感じ方には個人差がある
マウスピースの方がワイヤーより痛みが少ないという研究論文もありますが、痛みの感じ方には個人差があるため、ワイヤーとマウスピースのどちらが痛くないかは一概に言えません。
マウスピースかワイヤーのどちらで矯正をはじめたとしても、1日目に違和感や痛みを感じ、3日以内には違和感や痛みは引いていくことが一般的です。
取り外しができるから痛みが和らぐ時間がある
マウスピース矯正のメリットは「マウスピースの取り外しができる」ことです。
ワイヤー矯正の場合、ブラケットを歯の表面に接着剤でガッチリと装着させているため、取り外しができません。
一方、マウスピース矯正はマウスピースの取り外しが可能なため、矯正を少しだけお休みすることが可能です。
マウスピースを取り外すと、マウスピースによる締め付け感も無くなり、痛みも若干楽になるでしょう。そのため、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が痛みが少ないという考え方もあります。

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取り外しができる分自己管理が必要
マウスピース矯正では取り外しができるぶん、自己管理が必要です。
マウスピースを外してしまうと、歯は動きません。マウスピースを外す時間が増えてしまうと、動いた歯が元に戻ろうとする(歯の後戻り)リスクも増加します。
どの治療も、メリットがあればデメリットもあります。マウスピース矯正とワイヤー矯正のメリットとデメリットをしっかりと把握して、選択するようにしましょう。

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マウスピース矯正中に痛くなりやすいタイミングを知って、不安を解消しましょう。どんなタイミングに痛みが発生するのか紹介します。
矯正開始後
マウスピース交換後
アタッチメント装着後
食事中
食後
マウスピースのつけ外し時
ゴムかけを行った後
虫歯になった時
①矯正開始後
マウスピース矯正をはじめて間もない頃は、痛みに慣れていない状態です。そのため特に痛みを感じやすい タイミングだと言えるでしょう。
特に2日目あたりに痛みのピークを迎えやすいため、あまり噛まなくても食べられる食事内容にするなど、工夫してみましょう。
②マウスピース交換後
マウスピースを新しく交換すると、自身の歯並びとマウスピースの歯並びにズレが生じるため、痛みが出ることがあります。
マウスピース矯正では、マウスピース1枚あたり約0.25mm程度歯が移動しするようになっています。新しいマウスピースに交換した直後は、そのときの歯並びと、移動後の歯並び(マウスピースの形状)との間にズレがある状態です。
そのズレの分、歯に矯正力がかかるため痛みが出やすくなるのです。
耐えられないほど痛い時は、担当の歯科医師に相談して、前のマウスピース装着を延長すべきかどうか指示を仰ぎましょう。
③アタッチメント装着後
マウスピース矯正では歯の動きを調整するために、アタッチメントを歯に装着することがあります。
アタッチメントとはレジン(樹脂)でできたもので、装着するとマウスピースのフィット感が高まります。
以下は、マウスピース矯正「Oh my teeth」で実際に装着したアタッチメント(歯についている突起物)の画像です。

アタッチメントは突起物のため、マウスピースを外しているときにアタッチメントが唇や口腔内の粘膜を刺激し、痛むことがあります。
またフィット感が高まるほど矯正力も強くなるため、痛みも強く感じやすくなるでしょう。

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④食事中
マウスピース矯正中は歯に矯正力がかかり、歯の根元から敏感になっている状態です。そのため食事で咀嚼した際の刺激でも痛みが発生することがあります。
食事以外でも、たとえば球技でボールが口元に当たったときなどに、通常はそこまで痛みを感じないシーンでも、マウスピース矯正中は痛みを感じやすくなるでしょう。

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⑤食後
マウスピース矯正中は、基本的に食事のとき以外はマウスピースを装着し続けなければなりません。
しかし、場合によっては食事にいつも以上に時間がかかり、長時間マウスピースを外すこともあるでしょう。すると、食後にマウスピースを装着した際、痛みを強く感じる場合があります。
食後だけでなく、「マウスピースを外したまま寝てしまった」という場合も、長時間つけていない状態が続くため、再びつけた際に矯正力による痛みを感じやすくなります。
マウスピースを外している状態が長くなると、その間に歯が移動しマウスピースがはまらなくなることもあるため、注意が必要です。
⑥マウスピースの着脱時
マウスピースを外す際やつける際、以下のようなときに痛みが出ることがあります。
口の中の粘膜を爪で傷つけてしまう
誤って粘膜をマウスピースで挟んでしまう
マウスピースを外す際はリムーバーを活用したり、装着する際はゆっくり着けるなど、粘膜を傷つけない工夫が必要です。
また、マウスピースを外すときに痛いと感じることもあります。これはマウスピース装着中に加わっていた矯正力から解放され、歯が元に戻ろうとするときに発生する痛み。一時的ですが、ジーンとした痛みを感じます。
マウスピースを外したときの痛みは、直後に固いものを食べると悪化することも。なるべく柔らかいものを食べるなど心がけてください。
⑦ゴムかけを行った後
マウスピース矯正では、ゴムを使って歯の移動を助けることがあります。
ゴムかけを行った直後は、矯正力によって痛みを感じやすい状態です。ゴムかけを行う予定がわかっている場合、その後しばらくはあまり噛まなくていい食事をするなどの工夫が必要でしょう。
⑧虫歯になった時
マウスピース矯正中、虫歯や歯周病になるリスクがあります。
ワイヤー矯正と比較すると、マウスピース矯正は装置を取り外して歯磨きができるため、虫歯・歯周病リスクは低いです。しかし、食後十分に歯磨きをせずにマウスピースを装着してしまうと、当然虫歯・歯周病リスクは高まってしまいます。
歯が動く際の痛みのピークと言われる2日目を過ぎても、強い痛みが続いていたり、歯がしみたりする場合は虫歯の可能性が高いため、早めにクリニックで診てもらいましょう。

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矯正中の痛みの対処法についてはすでに一部は紹介しましたが、非常に大事なことなので、説明した内容を含めてもう一度解説します。
マウスピースを一旦外す
「マウスピースがどうしても痛い」「痛くて眠ることもできない」ような場合は少しだけマウスピースを外しましょう。
ただしマウスピースは、外している時間が長くなると合わなくなる恐れもあります。痛みが続く場合は、早めに歯科医院に相談しましょう。
痛み止めを飲む
マウスピースの矯正力による痛みを少しでも和らげるために、医師に処方された痛み止めを服用することも一つの手段です。
歯を計画通りに動かすためにはマウスピースをできる限り長く装着しなければいけないので、痛み止めを飲みながらマウスピースを極力長く装着する のがよいでしょう。

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痛みを和らげるツボ押しをする

効果に個人差はあるものの、試してほしいのが指圧療法です。以下に歯の痛みを和らげるツボを3つ紹介します。
顴髎(かんりょう):頬骨の下部分にあるツボ
合谷(ごうこく):手の人差し指と親指の間にあるツボ※
頬者(きょうしゃ):グッと噛み締めたときに筋肉(咬筋)が盛り上がる箇所にあるツボ
上記のツボを、痛みが和らぐまでマッサージするように押してみてください。詳しい指圧方法は以下の記事でも解説しています。
※妊娠中の女性が合谷のツボをおさえると陣痛が起こると言われています。妊娠中の方は違うツボをおさえるようにしましょう。

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マウスピースのフチを削る
マウスピースの端の一部が歯茎(はぐき)にあたって痛い場合は、爪切りのヤスリなどで削って様子をみてみましょう。
全体的にマウスピースの端が歯茎にあたって痛い場合は、かかりつけのクリニックや近くの矯正歯科で調整してもらうことをおすすめします。
食事を工夫する
マウスピース矯正中をはじめ、歯科矯正中は歯の根の周りにある組織「歯根膜」が敏感になっています。
そのため通常の食事でも、咀嚼時の負担によって痛みを感じてしまうことがあります。歯根膜への負担があるため、より痛みを感じやすいことを認識をしておきましょう。
なのでもしマウスピース矯正中、痛すぎて食べれないという場合には、食事に工夫が必要です。
特にマウスピース矯正の開始直後や、新しいマウスピースに交換した直後は痛みを感じやすいため、あまり噛まずに食べられる食事が有効です。
おすすめの食べ物は、以下の6つを参考にしてください。
おかゆ・リ ゾット
煮込みうどん・にゅうめん
茶碗蒸し
ヨーグルト・ゼリー
豆腐
蒸しパン など
前歯が傷んで噛み切れない場合は、あらかじめ食べやすいサイズに切っておくのがおすすめです。また、奥歯で噛むことが難しいときは、柔らかく煮込んだり、すりおろすといった調理時の工夫も取り入れるとよいでしょう。

歯科矯正中の食事はどうする?痛い時の工夫とおすすめメニュー紹介
虫歯や歯周病の治療をきちんと受ける
定期検診で、虫歯や歯周病のチェックも受けましょう。
マウスピース矯正中は虫歯や歯周病のリスクが上がります。もし虫歯が神経に達した場合、矯正力をかけると痛みが出ることがあります(神経の治療が終わってから、矯正治療再開になるケースが多いです)。
また虫歯の治療によって歯の形態が変わったり、歯周病によって歯を失ってしまうと、マウスピースの再作製が必要になる恐れも。
これらのことから、矯正治療中に虫歯や歯周病になると矯正が中断になったり、、治療計画が変更になることがあります。普段にも言えることですが、矯正中は特にセルフケアや定期検診を徹底して、虫歯や歯周病にならないように気をつけましょう。
マウスピース矯正 Oh my teethは24時間LINEサポートつき。夜中に突然痛みが出たときでも、早朝に気になることがあったときでも、LINEから気軽に相談できます。
初回診断の精密検査は無料なので、お気軽にご予約ください。

マウスピース矯正中痛いときの対処法を紹介しましたが、逆に避けるべきこともあります。
マウスピースを頻繁にor長時間外す
市販の痛み止めを担当医に相談せずに服用する
固いものを食べる
冷やしたり温めたりする
マウスピースを頻繁に外す or 長時間外す
マウスピース矯正の場合、しっかりと歯を動かすためには1日20時間以上の装着が推奨されています。マウスピースを外す時間が長いと、 最終的に理想の歯並びにならないかもしれません。
そのため頻繁にマウスピースをつけ外ししたり、長時間外したままにするのは避けましょう。
市販の痛み止めをドクターへの相談なしに服用する
マウスピース矯正の痛みを和らげる方法として痛み止めの服用を紹介しましたが、これは歯科医師に相談の上処方してもらったものをおすすめします。
もちろん、普段飲み慣れている痛み止めを服用することもできますが、長期間服用することで痛み止めの抗炎症作用が骨の代謝に影響を及ぼし、歯が動きにくくなる可能性もあります。
マウスピース矯正中に鎮痛剤を服用する際は、あくまで頓服としてたまに服用する程度に留めて、常備薬のように頻繁に飲まないようにしましょう。
どれくらいの痛みや頻度で飲めばいいのかを歯科医師に尋ねてみるのがおすすめです。
固いものを食べる
マウスピース矯正中は歯が不安定になっているため、固いものを食べるとその刺激が伝わりやすいです。
「マウスピースは外せば何でも食べられる」からといって固いものを食べてしまうと、動きやすい状態になっている歯に負担をかけてしまい、痛みが増してしまうかもしれません。
特に歯を大きく動かす部分には矯正力がかかっている状態なので、その部分で極端に固いものを噛むのは避けましょう。
冷やしたり温めたりする
マウスピース矯正中痛いときの対処法として、患部を冷やしたり温めたりすることはおすすめできません。
まず患部を冷やすと、血流が悪くなる原因になります。血流が悪くなると歯の動きが悪くなり、矯正に支障をきたす恐れも。
次に患部を温めるという行為についてですが、これは血流がよくなることで、かえって痛みが増す恐れがあります。
そのためマウスピース矯正中痛いときは、冷やしたり温めたりして刺激を与えることは避けたほうがよいでしょう。

マウスピース矯正の7つのデメリット!後悔しないための注意点と対策を解説

マウスピース矯正では、矯正開始後3日以内には違和感や痛みは引いていくことが一般的です。
しかし「痛くて眠れない」「死にそうなくらい痛い」という場合は、矯正装置が合っていない可能性も。歯科医院に相談し、装置の調整をしてもらうとよいでしょう。
マウスピース矯正 Oh my teethの歯並び診断では、歯科医師による相談・診査・診断が無料。もちろん相談だけでも構いません。
「どれくらい痛いの?」「本当にワイヤー矯正よりも痛くない の?」といったマウスピース矯正の痛みに関するご相談も承ります。
所要時間は30分、手ぶらでお気軽にご参加いただけます。診断結果はLINEに届くので、自宅でじっくり検討できますよ。